カラーベスト屋根の塗装の時期・相場・メンテナンスについてプロが解説!
2022.12.22
カラーベストは屋根材の一種であり、デザインの種類が豊富なため多くのお家で使用されています。メンテナンスのタイミングは築10年からと言われています。
しかし劣化状態によっては塗装、葺き替え、カバー工法などの適したメンテナンス方法は異なります。
今回はカラーベスト屋根のメンテナンスについて時期や相場などを詳しくご紹介していきます。
目次
1章目:そもそもカラーベストは塗る必要あるの?
カラーベストは屋根材の一つで、主にセメントを材料として薄い板状に並べて作られます。
デザインや色が豊富で様々なお家のタイプに合わせることができるため、現在では多くのお家に使用されています。
コロニアルやスレートとも呼ばれるカラーベストですが、本来はケイミュー株式会社が販売している「スレート」という屋根材の製品名です。現在はシリーズ名が浸透してスレート屋根自体のことをカラーベストやコロニアルと呼ぶことが多くなってきています。
つまりカラーベスト=スレートということになります。
一般的にカラーベストの構造は、垂木と呼ばれる骨組みの上に野地板を貼り、その上にルーフィングと呼ばれる防水シートを貼り、さらにその上にカラーベストを敷き詰めたものになります。
カラーベストの下には雨水がお家の中に侵入しないように防水シートが貼ってありますが、表面のカラーベストの劣化が進むと下にある防水シートも傷ついてしまい、雨漏りにつながってしまいます。
カラーベストは築10年程度で劣化が始まってしまうものもあります。また防水シートも平均で10年程度で耐久年数を迎えてくるので定期的なメンテナンスが必要になります。
カラーベスト屋根だけではなく、棟板金や漆喰などの屋根周辺の部位に関しても10〜20年程度で補修が必要になるので、カラーベスト屋根と同時にメンテナンスを行うのが理想です。しかしメンテナンス時期になる前に苔やカビが発生したり、塗膜の劣化が見られた場合はあまり先延ばしはぜず早めにメンテナンスを行うことが大切です。
2章目:カラーベストのメリット・デメリットとは?
カラーベストはメリットも多くありますが、デメリットもしっかりと知っておくことが大切です。
カラーベスト=スレート屋根であるので、ここではスレート屋根のメリット・デメリットをご紹介します。
1.メリット
①安価で施工できる
スレート屋根は他の屋根材などと比べると価格が安いのがメリットの一つです。
施工に必要な部材がスレート以外ほとんどないため、費用を抑えて施工することが出来ます。
そのため一般住宅には取り入れやすく、人気があります。
②施工しやすい
スレート屋根は軽量で加工もしやすいので、簡単に施工しやすい屋根材になります。
屋根材の中でもメジャーであるスレート屋根はほとんどの業者が施工をすることが出来ます。メジャーであるからこそ経験や知識の多い業者がたくさん存在するので、屋根の取り付けだけでなくメンテナンスまでも安心して施工を任せることが出来ます。
さらにスレート屋根は複雑な施工は不要なため、施工期間や施工費用も抑えることが出来ます。
③軽くて建物に優しい
スレート屋根は比較的軽量なため、建物への負担が少なくなります。
地震が起きた際の耐久力は建物の重心によって左右されます。屋根が軽くなり、重心が低くなることで揺れの力を軽減することが出来ます。
④デザインが豊富
スレート屋根には豊富なカラーバリエーションがあるため、お好みの色で屋根を仕上げることができます。複数の色を選択しておしゃれな雰囲気のデザインにすることもできます。
2.デメリット
①メンテナンスが必要
スレート屋根はスレート自体に防水性がないため、定期的な塗装によるメンテナンスが必要になります。スレート屋根を生産する際に塗装が施されていますが、紫外線や雨風などの影響により塗装が剥がれてきてしまいます。塗装が剥がれてしまうと水を吸い込み、雨漏りなどの原因になるため、注意が必要です。
②ひび割れが起きやすい
スレート屋根は塗装が剥がれてしまうと水を吸い込みやすくなってしまいます。水を吸い込み、水分が蒸発し、吸収と乾燥を繰り返すことでひび割れが起きてしまう恐れがあります。
デザインで切り込みの入っているものはさらにひび割れやすくなります。
③藻や苔が付着しやすい
スレート屋根の表面はデコボコとしているものが多いため、その隙間に水が溜まりやすく藻や苔が発生しやすくなります。
さらに藻や苔は水分を含みやすいためそこから劣化が進んでしまいます。
藻や苔は日光の当たりづらい北側に多く発生しやすいため注意が必要です。
④アスベストに注意が必要
2004年よりも前に設置されたスレート屋根にはアスベストが含まれている可能性があります。アスベストは石綿とも呼ばれていて発がん成分のある物質です。屋根の撤去や解体をする際にはこのアスベストが飛散しないように注意する必要があります。
3章目:カラーベスト屋根に起きる劣化現象とは?
カラーベスト屋根は塗装による定期的なメンテナンスを行う必要があります。
メンテナンスを怠り、劣化したままの状態を放置してしまうと塗装以外の工事も必要になってしまい、結果的にメンテナンス費用が高くなってしまうことにもなります。
これからご紹介するカラーベスト屋根の劣化についてを参考に、カラーベスト屋根の塗装メンテナンスのタイミングを逃さないようにしましょう。
1.藻や苔の発生
カラーベスト屋根の表面のデコボコの隙間に水分が溜まると藻や苔を発生させてしまいます。藻や苔が発生すると白く汚れたようになります。
そのまま放置すると美観性も悪く、屋根が腐食し雨漏りの原因にもなるため早めのメンテナンスが必要です。
2.色褪せ
カラーベスト屋根の色褪せがみられたら、劣化のサインです。
色褪せはすぐに住宅劣化には繋がりませんが、色褪せをそのまま放置すると表面を保護している塗膜の効果が切れてしまい水弾きも悪くなってしまっています。
屋根に色褪せや艶が無くなってきたと感じたら、このタイミングで塗装メンテナンスの検討をしてみましょう。
3.屋根材の割れや欠け
カラーベスト屋根は薄く成形された屋根なので、硬いものなどが強風などにより衝突すると亀裂が入ってしまったり欠けたりしてしまいます。ヒビや欠けが小さければコーキングで補修することもできますが、ヒビや欠けの範囲が大きかったり複数箇所に見られるようであれば、カバー工法などの工事が必要になります。
4.屋根材の反り
カラーベスト屋根が水分を吸収するようになると湿潤と乾燥を繰り返し、徐々に反り返ってしまうことがあります。
屋根材が反り返ると表面の塗装の効果は完全に切れてしまっていることなので塗装などのメンテナンスが必要になります。
反りを放置してしまうと少しの力が加わっただけで割れてしまう状態になってしまいます。この状態まで劣化が進んでしまうと塗装をするための上に乗っただけでも割れてしまうこともあるため、葺き替え工事やカバー工法工事などが必要になってしまうことが多いです。
手遅れになる前に反りが見られたらなるべく早めに塗装をするようにしましょう。
5.棟板金の劣化
カラーベスト屋根は屋根材の固定や頂上の隙間を埋めるために棟板金が設置されています。
この棟板金が釘で固定されている場合、経年劣化や熱膨張により徐々に緩んできてしまい、棟板金が浮いてきてしまいます。棟板金が浮いてくるとその隙間から雨水が侵入して雨漏りの原因になったり、強風で棟板金が吹き飛ばされてしまう恐れがあります。
棟板金は定期的に点検を行い、浮きが見られれば釘を打ち直したり、コーキングで固定するなどのメンテナンスが必要です。
4章目:カラーベストに塗装しても雨漏りは防げない?
カラーベスト屋根を塗装すれば雨漏りを防げると思っている方が多いかと思いますが、実際雨漏りを防いでいるのはカラーベスト屋根の下にある防水シートです。
防水シートの上にあるカラーベストが劣化してしまうと、防水シートの耐久性を低くしてしまい、防水シートが劣化することで雨漏りの原因になります。
つまり防水シートそのものが劣化してしまっている場合はカラーベスト屋根を塗装しても雨漏りを完全に防ぐことはできないのです。
防水シートが劣化して雨漏りが発生してしまっている場合は塗装ではなく、カバー工法工事か葺き替え工事でメンテナンスを行う必要があります。
ここでカバー工法工事と葺き替え工事についてご紹介します。
1.カバー工法工事
屋根のカバー工法工事は既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねる工事です。既存の屋根に防水シートを貼り、その上に屋根を重ねていきます。
既存屋根の撤去費用や手間がかからないため、工事期間や費用を抑えて施工することが出来ます。
2.葺き替え工事
葺き替え工事はその名の通り、既存の屋根材を全て撤去して新しい屋根材を設置していく方法です。費用は高くなってしまいますが、ひどい雨漏りなどが発生している場合は問題の解決に繋がります。
今後のメンテナンスが減ることを考えると長期的にみて、葺き替え工事の方がお得な場合もあります。
また、アスベストが使用されているスレート屋根を撤去する際は細心の注意が必要です。
撤去の際に粉塵が待ってしまうと健康被害に繋がるため、必ずアスベスト屋根に対応した業者へ依頼するようにしましょう。
5章目:詐欺に注意!カラーベストの塗装トラブル!
カラーベスト屋根塗装において順調に塗装が完了すれば安心ですが中にはトラブルになることもあります。
この章では業者とのカラーベストの塗装トラブルについてをご紹介します。
1.他の工法を提案される
屋根塗装の見積もりを依頼して、塗装ができないのでカバー工法にしましょうと提案されることもあります。
しっかりと屋根の劣化状態を判断しての提案であれば問題ありませんが、本当にカバー工法工事が必要なのかしっかりと見極める必要があります。無理に費用の高い工事をしなくても劣化状態によっては塗装で十分なメンテナンスができることもあります。
見積もりを依頼する際は1社だけでなく他の会社にも依頼してみて、各社がどのような工事を提案しているのか比較してみましょう。その中で最も信用できる業者へ依頼するようにしましょう。
2.決断を迫られる
今補修しないと大変なことになると言われても、本当に今塗装が必要なのかしっかりと考えてみましょう。しつこく工事を強要してくる業者は見積金額と請求金額が大きく異なったり、後から追加工事を提案されたりと詐欺の可能性もあります。
塗装工事は焦らずに慎重に考えてから依頼するようにしましょう。
6章目:カラーベストの工事で注意したいポイント
カラーベスト屋根を塗装する際は以下のことに注意しましょう。
1.縁切りを必ず行う
カラーベスト屋根にはあえて隙間が設けられています。これは屋根材と防水シートの間に侵入した水や、発生した湿気を外に逃すための隙間です。
塗装をした際にこういった隙間を埋めてしまわないように下塗りの後にタスペーサーというものを挿入して、隙間を確保します。
縁切りがしっかりと行われていないと湿気がこもったり、雨水が逆流してしまい野地裏の腐食や雨漏りなど、建物全体の劣化に繋がってしまいます。
中には費用を安くするために縁切りを省略してしまう業者もいるので、コロニアル屋根を塗装する際は縁切りを行ってもらえるのか、必ず業者に確認するようにしましょう。
2.安全対策はしっかり行う
屋根塗装を行う際は梯子ではなく足場の設置が必須となります。
梯子は不安定のため登っている最中に落下してしまう事故が起こってしまう可能性があります。せっかく屋根を綺麗にするのに事故が起きたら嫌な気分になってしまいますよね。
さらにヘルメットの着用、安全ベルトの使用も必ず必要になります。
3.悪徳業者に注意する
屋根塗装を行う際には悪徳業者は絶対に避けたいはずです。悪徳業者に依頼してしまうと中塗りを省いたり、縁切りを行わなかったりと手抜き工事をされてしまい、せっかく塗装を行ってもすぐに不具合が生じてしまう可能性があります。
業者を選ぶ際はしっかりと実績と経験があるのかを注意して確認するようにしましょう。
さらに、保証内容も業者選びの際の参考にしましょう。なぜなら保証内容がしっかりしていれば優良企業である可能性が高いからです。保証は塗装工事に自信があってこそ付けられるものです。塗装工事が終了した後も安心できるような保証がついている業者が望ましいでしょう。
悪徳業者を避けるためにも見積もりは1社だけでなく複数の業者へ依頼するようにしましょう。
さらに火災保険や補助金・助成金を利用すればお得に塗装を行うことができるので、業者に確認してみるのも良いでしょう。
7章目:カラーベスト屋根塗装の費用相場は?
カラーベスト屋根塗装の費用は足場代、塗料代、工事代により構成されています。
屋根塗装の費用を大きく左右させるものが塗料代になります。屋根は外壁よりも紫外線や雨風の影響を受けやすいため、しっかりと耐久性のある塗料を選ぶことが望ましいです。
予算に応じて断熱塗料や遮熱塗料など性能がある塗料を選ぶのも良いでしょう。
正確な費用を知りたいときは専門業者へ見積もりを依頼してみましょう。見積もりまでは無料で行ってくれる業者もあるので、複数の業者に依頼して費用を比べてみるようにしましょう。しかしただ安いからといって選ぶのはNGです。費用を安くするために手抜き工事を行ったり必要な工程を省かれてしまったりとトラブル発生の原因になります。屋根塗装を依頼する際は費用だけでなく、工事手順や塗料の種類、保証の内容などをしっかりと確認するようにしましょう。
8章目:まとめ
いかがでしょうか。
カラーベスト屋根は多く普及しているので、お家がカラーベスト屋根の方は多いのではないでしょうか。カラーベスト屋根は定期的に塗装メンテナンスを行えば長持ちさせることのできる屋根材です。カラーベスト屋根用の塗料もさまざまな性能のものがあるので、屋根の状態や予算にあった塗料を選ぶようにしましょう。カラーベスト屋根塗装で一番重要な縁切りを行ってもらえるのかは必ず確認するようにしましょう。
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