外壁を漆喰にする施工費用相場は?メリットやメンテナンスについて解説
2023.02.03
漆喰は5000年ほど前から使用されている建材のひとつで、乾湿機能、防臭機能、ウイルスを死滅させる殺菌効果などがあり機能性がとても高く、そんな自然素材の持つ力が改めて注目されてきています。
そんな漆喰について詳しくはよく知らないという方も多いのではないでしょうか。
今回の記事ではそんな漆喰について、メリットやメンテナンス方法、費用相場についてご紹介します。
目次
1章目:漆喰について
まずは漆喰についてご紹介していきます。
1.漆喰外壁とは?
漆喰とは石灰にのりや粘土を混ぜ合わせた壁材で、昔から神社や民家等の壁に使用されています。壁以外にも瓦や石材の接着や繋ぎ目に充填されるなど、幅広く利用されています。漆喰を塗装することで重厚感や高級感などを得ることが出来ます。
漆喰外壁は左官仕上げの中で、漆喰を使用した外壁になります。
一昔前までは伝統的な日本建築のお城やお寺などの外壁の仕上げには漆喰が使用されていましたが、現在では一般住宅に漆喰の外壁を使用することは減ってきています。
漆喰壁の特徴としては、自然素材の風合いを活かし継ぎ目のない美しい仕上がりになり、吸湿効果や脱臭・消毒効果が期待できます。
2.漆喰外壁とモルタル外壁の違いは?
現在の外壁のほとんどはサイディングという外壁材が使用されています。しかし独特な質感を出すには塗り壁が一番です。そんな塗り壁は基本的に漆喰やモルタルのことを指します。
漆喰やモルタルの見分け方としては漆喰外壁は層のようなものを感じることができ、少し粉っぽい感じがします。これはモルタル外壁の劣化症の一つであるチョーキング現象とは全然違うので判断はしやすいと思います。
3.漆喰外壁の種類は?
一口に漆喰といってもその種類は様々なものがあります。
漆喰の種類とそれぞれの特徴についてご紹介します。
1.本漆喰
真っ白な見た目が特徴で古くからの建築物のほとんどに本漆喰が使用されています。
日本においては本漆喰が一般的な漆喰で、消化灰に海藻とのり、麻繊維を混ぜて作られます。
2.土佐漆喰
土佐漆喰は消石灰とワラ、水を塾生させて作りますが、本漆喰と違いのりを使用しません。
施工直後はクリーム色をしていますが、紫外線に当たることで白色になり最終的には少し黄味がかった柔らかい白色になります。
外壁以外でも、かまどなどに使用されており、とても丈夫で防火性の高い漆喰です。
3.琉球漆喰
琉球漆喰は生石灰とワラ、水を混ぜて作られていますが、土佐漆喰と同じくのりを使用しない漆喰です。
沖縄の強い台風にも耐える耐久性、暑い夏の中でも優れた断熱性と吸湿効果により室内を涼しく保つことが出来ます。
近年では琉球漆喰の機能性が評価され、新築やリフォームなどで使用されることも増えて来ています。
4.西洋漆喰
西洋漆喰は消石灰に砂や大理石、セルロースファイバーなどを混ぜて作ります。
白く輝いていて西洋の教会やお城などに使用されます。
歴史は古く、メソポタミア文明の遺跡やエジプトのピラミッドの内壁などにも使用されていました。西洋漆喰の耐久性は非常に高く100年以上住み続けることができると言われています。
2章目:漆喰外壁を用いた場合のメリット・デメリット
漆喰外壁のメリットやデメリットについてどのようなものがあるか、詳しくご説明します。
1.メリット
1-1.耐用年数が長い
漆喰は耐用年数が100年を越えると言われています。
二酸化炭素を吸収すると硬くなる性質を持っているため、年月が経過するほど耐久性が高まります。
しかし実際に100年以上もたせるためには正しいメンテナンスが必要となるので定期的なメンテナンスを心がけるようにしましょう。
1-2.調湿効果がある
漆喰は調湿効果がとても高い外壁材です。
夏は余分な湿気を吸い取り、冬は湿気を放出する湿度調整の機能があります。
これは漆喰の表面が小さな穴が空いている多孔質構造で呼吸をしているため湿気をコントロールしてくれるためです。
1-3.消臭効果がある
漆喰の主成分である消石灰には殺菌効果があるため匂いやカビの発生を抑えることができます。
さらに表面が多孔質構造であるため、匂いを伴う水蒸気を吸収することで悪臭を消してくれます。また、漆喰自体は強アルカリ性であるため、排水溝や加齢臭などの酸性タイプの匂いを中和することも出来ます。
1-4.デザイン性が高い
漆喰外壁はつなぎ目がなく平らでマットな仕上がりになります。
また、白く美しい見た目で高級感のある雰囲気にすることが出来ます。
さらに塗り方や表面の仕上げ方によって雰囲気を変え、様々な味を出すことも出来ます。
2.デメリット
2-1.汚れやすい
漆喰の表面には細かな凹凸があるため汚れが付着しやすく落ちにくいといったデメリットがあります。
特に窓のサッシ下に雨染みが着きやすく、綺麗な状態を維持するためには定期的な清掃が必要になります。
2-2.ひび割れやすい
乾燥後の漆喰は弾力がほとんどないため、地震の強い揺れなどで表面がひび割れやすくなっています。
また、漆喰壁は引っ掻きに弱く、硬いもので擦ってしまうと傷が付きやすくなります。人通りに面している場所やお子さんがいるお家では傷がついてしまう場合があるので注意が必要です。
2-3.費用が高い
漆喰の施工には高度な技術が必要なため材料費だけでなく施工費も高くなってしまいます。
さらに漆喰工事は塗装の工程で乾燥期間を取らなければならないため、施工日数も長くなってしまう傾向にあります。
3章目:漆喰外壁は自分で(DIY)できるの?
漆喰壁が劣化してきたのでDIYで補修をしたい方や、既存の外壁をDIYで漆喰壁にしてみたいと考える人もいるかと思います。
近頃は誰でも簡単にDIYで塗料を塗ることのできる商品が販売されています。
1.DIYでの漆喰外壁の手順
ここではDIY用の漆喰を販売している日本プラスター株式会社の「漆喰うま〜くヌレール」の施工手順をご紹介します。
ステップ1.外壁を綺麗にする
高圧洗浄機やブラシなどを使用して漆喰を塗る箇所の汚れやコケ、カビを落とします。
ステップ2.養生する
養生は周囲が汚れてしまうのを防ぐために保護することです。幅木や柱、窓枠やドア枠など漆喰を塗らない箇所はマスキングテープなどを利用して保護しましょう。
マスキングテープは漆喰が塗り終わったらすぐに剥がすようにしましょう。
ステップ3.下塗り作業
下塗り材を下地が透けるくらい薄く塗ります。
ステップ4.コテで壁に塗る
下塗りをして次の日以降に仕上げを全面に薄く塗っていきます。
コテを使い擦り付けるように塗り、1〜2時間待った後仕上げをもう一度薄く塗ります。
ステップ5.コーナー部分を塗る
コーナー部分である入隅と出隅の部分に専用のコテを使用し、漆喰を平らで滑らかにします。
これで漆喰DIYは完了です。
2.DIYで漆喰外壁にする際の注意点
漆喰壁をDIYで行う場合、湿気には注意しなければなりません。外壁をDIYした後は1週間ほどは雨に塗れないように養生をして保護するようにしましょう。
また、漆喰壁のDIYは簡単に漆喰が塗れるというわけではありません。漆喰を施工するには適度な固さで材料を練り、模様を揃えて均一に仕上げるといった手順が必要で、専門の職人でないと厳しい一面もあります。コテをしっかりかけて塗らないと、剥がれたり浮いたりしてしまうトラブルの原因にもなります。
4章目:漆喰外壁にするための施工費用相場は?
漆喰を1㎡塗り替えるのにかかる費用は一般的に6,000〜8,000円程度になります。
しかし漆喰は左官職人さんの手によって作られるものなので、お願いする職人さんの経験や腕、業者によって費用は変わってきますので、気になる方は見積もりを依頼してみるようにしましょう。
メンテナンスは大体10〜15年が目安ですが、汚れや傷が気になるようであれば自分でメンテナンスをすることも出来ます。
漆喰は他の外壁材と比べると高価なものなので、定期的に綺麗にすることで長持ちさせることが出来ます。
5章目:漆喰の外壁を美しく保つためのメンテナンス方法
漆喰を美しく保つためには定期的なメンテナンスが必要です。
次に漆喰を美しく保つためのメンテナンス方法をご紹介します。
1.汚れやコケ
漆喰は真っ白な見た目が魅力的ですが、そんな漆喰が汚れてしまったり擦れてしまったりすると一気に台無しになってしまいますね。
漆喰表面の汚れや黒ずみは布や消しゴム、メラミンスポンジで落とすことが出来ます。
軽い汚れであれば洗剤をつけて絞った布で拭いてみましょう。それでも汚れが落ちなかった場合は消しゴムやメラミンスポンジ等で擦って落としましょう。
2.ヒビや傷
ひび割れや傷を補修する場合は、部分補修で上から漆喰を塗り重ねる方法があります。
外壁の漆喰全体が激しく劣化してしまうと表面の漆喰を剥がして塗り直す必要がありますので、ヒビや傷が見られたら広がってしまう前に早めに補修を行うようにしましょう。
漆喰はひび割れしやすく傷つきやすいので定期的な点検を心がけましょう。
3.剥がれ
漆喰が剥がれてきてしまったら表面の漆喰を剥がし、下地調整をして塗り替えるのが一般的です。
下地調整をしてから塗り替えを行う場合は重ね塗りに比べて施工期間が長くなってしまうため、こまめな点検をして早めに劣化を見つけるようにしましょう。
6章目:漆喰の外壁メンテナンスを専門家に依頼した方が良い理由
漆喰のDIYについて第3章でご紹介しましたが、漆喰が剥がれてしまっている場合や施行箇所が2階部分や高所の場合は専門家に依頼するようにしましょう。
なぜなら漆喰の剥がれは下地自体に問題がある可能性が高く、高所の場合は落下事故などの危険が伴うためです。
また、漆喰のメンテナンスを専門家へ依頼する場合は左官工事と塗装工事がありますが、塗装をオススメします。
左官工事は職人が少なく工期も長くなるので費用が高くなってしまいます。
塗装での塗り替えは漆喰の風合いや機能をそのまま活かし、美観も保つことが出来ます。
7章目:まとめ
いかがでしょうか。
漆喰は天然素材を用いていて廃材も土にかえることができる為、エコや健康ブームの高まりとともに人気になりつつあります。
年月を経ることで独特な味わいを増していく漆喰ですが、定期的なメンテナンスを行うことを忘れてはいけません。
漆喰はデリケートで扱いが難しいため、採用する際は今回ご紹介したメリットやデメリット、メンテナンス方法などを考えた上で十分に検討するようにしましょう。
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