屋根塗装の見積り相場を知ってますか?プロがポイントを解説
2022.07.07
屋根塗装を検討する際にまずは見積もりを業者に出してもらうと思いますが、その金額が相場に対して妥当であるのか不安に感じる方も多いのではないでしょうか?
塗装の見積もりといえど、見積もりの表記の方法や使用する材料、施工方法などは業者によって異なります。
今回の記事では屋根塗装の見積もり相場から見積もりの見方のチェックポイントまで、ご紹介していきたいと思います。
目次
1章目:屋根塗装の見積書の見方とポイント
それでは早速屋根塗装の見積もりの見方とそのポイントについてご紹介していきます。
見積もりを出してもらった際には以下のようなことに注意しながら慎重にチェックしていきましょう。
1. 作業項目、作業工程ごとの金額が表示されているか
作業項目や作業工程ごとの金額がしっかりと表示されているかは重要な確認ポイントの一つです。
例えば「屋根塗装作業1式」という表示方法だけだと、「どのような塗料を使用するのか」や「何回塗りで仕上げるのか」等の工事内容の詳細が不明確です。
見積もりは各工程ごとの必要な時間や人区から算出されるもので、お家1件1件の状態に合わせて適正な塗料や作業工程を決めていくものになるため、正しい見積書を作るには各工程の金額をしっかりと明記する必要があります。
このような正しい見積もりの表示方法を怠り、簡単な説明のみで契約を迫る業者も実際には実在しています。見積もりの費用が安くても見積もりに表示されていなければ、手抜き工事をされてしまったり、グレードの低い塗料を使用されてしまったりと、トラブルの原因になりかねません。
口約束だけでなく、しっかりと見積もりに作業工程ごとの金額や使用する塗料についての表示があるかをしっかりと確認するようにしましょう。
2.塗装面積の単位表示はしっかり明記されているか
次に大切なポイントとしては塗装面積の単位が正確に記載されているかということです。この塗装面積も1式ではなくしっかりと平米数で表示されているかがチェックするべき項目です。
塗料にはメーカーごとで「基準塗布量」というものが定められているため、正確な塗装面積の平米数が明記されている必要があります。
そのためにも業者が現調を行う際にはなるべく立ち会って、しっかりと塗装面積を計測しているか確認することも大切です。
3.使用する塗料のメーカーと種類が明記されているか
塗装に使用する塗料の種類とそのメーカーについての記載があるかどうかも大切なチェックポイントの一つです。
ポイントとしては使用する塗料のメーカーが大手でなければいけない訳ではありません。
現代では中小メーカーの塗料でも会社のホームページ等に塗料の紹介があり、特徴や性能等を調べることができます。
業者の説明とホームページでの紹介が大きく異なっていないか、注意して確認するようにしましょう。
4.屋根材ごとでの必要な工程が記載されているか
屋根材ごとに必要な工程があるため、その作業内容がしっかり記載されているのかの確認も大切です。
例えば、スレート瓦屋根の場合は棟部分に板金が使用されているので、サビを除去するケレン作業やサビの発生を防ぐサビ止めの塗布作業が必要になります。さらに雨水などを排出するための隙間を塗料で埋めてしまわないように、タスペーサーの挿入が必要になります。
他にもセメント瓦の一種であるモニエル瓦では、表面に吹き付けてあるスラリー層を除去してから塗装を行わないと、塗料密着の妨げになります。
このように各屋根材ごとに必要な作業工程があるため、見積書に各工程の記載があるのかも、しっかりとチェックするようにしましょう。
5.アフターフォローや保証はついているか
そして最後のチェックポイントとしてはアフターフォローや保証内容の確認です。
住宅の塗装工事は少しでも手抜き工事を行うと、工事後の不具合や劣化が早くなってしまいます。そこで大切なのが塗装工事完了後のアフターフォローや保証サービスです。
もちろん優良な塗装業者は不具合を発生させないよう丁寧な作業を行ってくれるはずですが、さまざまな要因により不具合が発生する可能性が0になることはありません。工事後まで責任を持って真摯に対応してもらえるような業者に依頼することで安心して工事を任せることができます。
2章目:屋根塗装見積りは屋根材で大きく変わる?
お家の使用されている屋根材により、表面積の違いや塗料の吸い込み量で使用する塗料の量が異なったり、先ほどご紹介した通り屋根材ごとに必要な工程があったりするため、屋根材によって塗装費用が異なります。
ここでは各屋根材の特徴をご紹介します。
1.スレート屋根
スレート屋根には粘板岩を使用して作られた天然スレートとセメントを主成分とした化粧スレートがあります。
天然スレートは耐久性が高く色褪せない性質がありますが、価格がとても高いうえ重量もあるので、現在の住宅の屋根としてはほとんど使用されていません。そのため住宅に使用されるのはほとんどが化粧スレート屋根になっています。
そんな化粧スレート屋根ですが、形状や暑さによってさらに4つの種類に分けることができます。
1-1.平型スレート
平型スレートは現在の一般住宅に多く使用されている屋根材で、コロニアルやカラーベストなどが含まれます。
塗装をする際は雨水などを排出するための隙間を塗料で埋めてしまわないように、タスペーサーの挿入が必要になります。
安価で施工性にも優れているので多くの住宅で使用されていますが、汚れが付着しやすく割れやすい傾向にあるため定期的にメンテナンスが必要になります。
苔や藻の付着、ヒビなどが見られたら早めに塗装業者へ相談しましょう。
1-2.厚型スレート
セメントと砂を混ぜて厚みを持たせ、瓦のような形状にしたものが厚型スレートになります。セメント瓦などがこれに含まれます。
さらにセメント瓦屋根の中に、ヨーロッパ発祥のモニエル瓦があります。モニエル瓦は近年、洋風の住宅に多く使用されている瓦になります。
モニエル瓦は表面にセメントの粉が薄く吹き付けてあるスラリー層という層があります。劣化したスラリー層の上から塗装をすると塗膜密着の妨げになるので、塗装する前にできるだけ劣化したスラリー層は取り除く必要があります。
色褪せや塗膜の剥がれが見られた場合は塗装の検討をしましょう。
1-3.波型スレート
波型の形状をした化粧スレートで、主に工場などの鉄骨造の屋根に使用されます。波型スレートの下には野地板のような下地材はなく、長い波型スレートを屋根の傾きに沿って貼っていきます。
苔や藻の付着、色褪せ等が見られたら塗り替えを検討しましょう。
1-3.石綿スレート
石綿とはアスベストのことです。
20年前くらいまではスレート屋根の耐久性を高めるために、発がん成分であるアスベストが使用されていましたが、粉塵が呼吸器障害を起こすため公害であるとされ、2004年からは製造・使用が中止されています。
スレート屋根は劣化すると表面が脆くなる性質があるため、石綿スレート屋根の劣化を放置すると風でアスベストが飛散する恐れがあります。
さらに塗装する際にも注意が必要です。なぜなら塗装する前に必ず行う高圧洗浄作業で屋根材の表面を削ってしまい、空気中にアスベストが飛散してしまう恐れがあるからです。
塗装以外の工事としてはアスベスト除去作業を行った後に屋根材を撤去して新しい屋根材を葺く、葺き替え工事や既存の屋根の上に新しい屋根材を葺くカバー工法工事などが挙げられます。
お家の屋根がスレート屋根で2004年以前に製造されたものである場合は、石綿スレート屋根である可能性が高いので一度塗装業者に相談してみましょう。
2.金属屋根
金属屋根は屋根材の中で最も軽量であるため、施工がしやすく耐震性が優れています。しかし断熱性があまり無く、劣化が進むとサビが発生してしまうリスクもあります。
定期的にメンテナンスをすることにより、長持ちさせることができます。
そんな金属屋根の中にもトタン屋根やガルバニウム屋根など、種類があります。
2-1.トタン屋根
トタン屋根は軽量で安価ですが、サビやすく雨漏りが発生しやすいなどの問題があるため、現在の住宅ではあまり使用されていません。
さらにトタン屋根は耐用年数が10年ほどと短くサビも発生しやすいため、さび止め塗布などの定期的にメンテナンスを行わなければなりません。
サビが出てきてしまうとあっという間に広がってしまうので、定期点検も必要になります。
2-2.ガルバリウム屋根
ガルバリウム屋根は軽量で扱いやすいため、現在の金属屋根の主流になっている屋根材です。スレート屋根の重ね吹き工事にも使用されている屋根材になります。
金属屋根の中でもサビにくいため、定期的にメンテナンスを行い表面を保護すれば、耐久性を維持することができます。
3.日本瓦
日本瓦は他の屋根材よりも強度があり、耐久性が長い屋根材です。
耐用年数は50~100年ほどと言われていて、基本的に塗り替え等のメンテナンスは不要になります。
ただ瓦の下の防水シートや漆喰等は瓦よりも劣化するのが早いため、定期的に点検をして劣化が見られた場合は補修が必要になります。
3章目:訪問営業の会社は直ぐに信用してはいけない?
訪問営業の業者をすぐに信用するのはやめましょう。
屋根は自分の目で確認することができないため、中には突然訪問してきて屋根にのぼり、事実ではない説明をする業者もいます。
優良な塗装業者であれば訪問をしなくても依頼があるため、わざわざ押しかけて塗装工事を勧めることはほとんどありません。
しかし例外として、塗装工事が始まる際はご近隣の方々にご挨拶をするのが一般的です。ですので、塗装業者が訪問してきたからと言って門前払いするのではなく、しっかりと話を聞いてから対応するようにしましょう。挨拶回りを行っている業者は悪徳業者である可能性は低いので、何かお家のことで気になることがあれば相談してみるのも良いでしょう。
もちろん訪問営業している業者が全て悪徳業者であるということではないですが、その場ですぐに契約はしないようにしましょう。
4章目:シンプル過ぎる見積もりは注意!
1章目でもご紹介した通り、見積もりの表示の仕方には十分注意しましょう。
シンプルな見積もりは一見すると見やすいものですが、塗装工事の場合はしっかり工程ごとに金額が表示されているものが望ましいのです。シンプルな見積書を提示され、工事の皇帝は口約束だけで契約をしてしまうと、何度も言いますが、後でトラブルの原因になりかねません。シンプルな見積書を提示された場合は細かな詳細の記載がある見積書を作り直してもらいましょう。
また、無料やお値引きに安易に飛びつかないようにしましょう。見積もりの提示を受けた後にすぐにお値引きや細かな工事を無料で行うといった提案をしてくる業者がありますが、こういったケースにも注意が必要です。
確かに少しでも安く工事を行いたい気持ちはあると思いますが、無料・お値引きという言葉で手抜き工事をされてしまうと、後々さらに劣化が進み再度工事が必要になってしまうケースもあります。
業者の言葉には冷静に判断するようにしましょう。
5章目:屋根塗装の見積もりの事例紹介
良い見積もり例と悪い見積もり例を解説しながらご紹介していきます。
1.悪い見積もり例
あまりおすすめのできない悪い見積もりの例を2パターンご紹介します。
パターン1:単位が一式になっているもの
このようにほとんどの単位を一式で表記している場合は注意が必要です。
これでは適正な費用であるのか分かりません。さらに屋根塗装は何回塗りであるのかも知ることができず、手抜き工事をされてしまう可能性もあります。
パターン2:作業工程がまとめられているもの
このように項目がまとめられて計算されていると、どの作業にどれくらいの費用がかかるのか、正確に知ることができません。一見シンプルで見やすい見積書ですが、こう言ったものは後々のトラブルを引き起こす原因にもなるので注意が必要です。
2.良い見積もり例
次に良い見積りをご紹介します。
このように各工程ごとで、どのくらいの数量でどのくらいの単価で工事を行うのかがしっかりと明記されていることが大切です。
さらに塗装の工程や使用する塗料のメーカーの記載があったり、作業工程や費用を明確に記載している見積書は手抜き工事の危険性が低いので安心です。
6章目:まとめ
いかがでしょうか。
屋根塗装工事は業者によって作業工程や単価が変わることがあるので、必ず何社かの見積もりをチェックするようにしましょう。せっかくの塗装工事なので、見積もり以外でも要望に合わせて丁寧な説明をしてくれたり、管理体制などがしっかりしていて、安心して依頼できる業者を探すようにしましょう。
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建物診断では正確な値を算出するためにも、お客様のお家をしっかりと計測させていただき、ドローンも使用することで普段目では見えない箇所の状態も確認させていただきます。
さらに充実したアフターフォロー制度や保証も備わっていますので、塗装工事が終了した後もご安心していただけます。
塗装やお家のことならタクトにお任せください。
皆様からのご連絡お待ちしております。