サイディングにクリア塗装するメリット・デメリットをプロが解説
2022.08.25
そろそろお家の住宅の塗装をお考えの方の中には、クリア塗装も視野に入れている方もいるのではないでしょうか。
クリア塗装は正式にはクリヤー塗装と言いますが、クリヤー塗装は無色透明の塗料を使用した塗装のことです。
元々の外壁のデザインや意匠性を維持することができ、最近人気の出てきている塗料の一つです。
そんなクリア塗装は外壁によって向き不向きがあるので、注意が必要です。
今回はそんなクリア塗装についての特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
目次
1章目:クリア塗装(クリヤー塗装)とは?
クリア塗装は顔料を含まない、無色透明の塗料を使用した塗装のことです。
透明の塗料なので、元々の外壁のデザインや意匠性を維持しながら、外壁の保護や艶を出すことができます。タイル調やレンガ調・木目調のサイディングやモルタル・コンクリート・タイル等の外壁に使用することができます。
そのため、クリア塗装は気に入った外壁のデザインをそのまま活かしたいという方にオススメです。
2章目:サイディングをクリア塗装するメリットとは?
クリア塗装を行う際はしっかりとメリットとデメリットを把握しておくことが大切です。
まずはクリア塗装のメリットについてご説明します。
1.既存の外壁のデザインや意匠性を維持できる
クリア塗装は無色透明の塗料を使用することが特徴ですので、外壁のデザインや意匠性をそのまま活かすことができます。
つまりお気に入りの柄・色・模様等を残すことができます。
2.チョーキングが起こりづらい
塗膜に触れるとチョークのような粉状のものが手に着くことがあり、これをチョーキング現象と言います。
チョーキングは塗料に含まれている顔料が劣化して起こります。
クリア塗装に使用する塗料には顔料は含まれていないため、チョーキングが起きる心配はありません。
3.外壁に艶が出る
クリア塗装を行うと外壁に美しい艶を出すことができます。
塗料によっては艶の度合いを選べるものもあります。
また、低汚染性や耐久性の高い塗料などもあるため艶を長く保たせることもできます。
3章目:サイディングをクリア塗装するデメリットとは?
クリア塗装には魅力的なメリットがありますがその反面、デメリットもあります。
メリットだけでなくデメリットもしっかり理解した上でクリア塗装を検討しましょう。
1.ひび割れの補修ができない
クリア塗装は外壁表面の保護をすることはできますが、ひび割れが起きてしまっている箇所の補修には不向きです。
クリア塗装の前に補修を行ったとしても補修の跡を隠すことはできないため、こういった場合は一般的な塗装が向いています。
2.劣化が透けてしまう
ひび割れや傷などの劣化がみられる場合は、クリア塗装を行っても劣化部分が透けて見えてしまいます。チ
ョーキングが起きている場合もしっかりとチョーキングを落としてから塗装をしないと塗膜密着も妨げになり、せっかくの塗装が剥がれてしまうこともあります。
4章目:サイディング外壁をクリア塗装する時の注意点
サイディング外壁にクリア塗装をする際はいくつか注意点があります。
ポイントを把握して塗装をすることで、仕上がりや耐久性にも影響が出てきます。
それではクリア塗装の注意点をご紹介していきます。
1.フッ素や光触媒でコーティングされたサイディングには不向き
素材によってクリア塗装ができないものがあります。それはフッ素や光触媒でコーティングがされているサイディングです。これらでコーティングされているとチョーキングなどの劣化が起きづらいといった特徴があります。
このような特殊なコーティングが施されている上にクリア塗装を行っても塗料がうまく密着せずに塗膜が剥がれてしまう恐れがあります。
専用の下地材を使用することで、特殊なコーティングが施されたサイディングにもある程度はクリア塗装をすることができます。しかし全てが問題なく塗装できるというわけではないので、クリア塗装ができるかどうかはしっかりと業者に判断してもらうようにしましょう。
2.チョーキングが進んだ外壁にはオススメできない
デメリットでもご紹介しましたが、チョーキング現象が進んだサイディング外壁にクリア塗装をしてしまうと、仕上がりが白くぼやけたようになってしまったり、塗膜がうまく密着できなかったりしてしまうため、あまりオススメは出来ません。
どうしてもクリア塗装を行いたい場合は高圧洗浄等でチョーキングをしっかり落とすか、一度色のついた塗料で外壁を塗ってからクリア塗装を行うといった方法があります。しかし色を一度つけた上にクリア塗装を行ってもクリア塗装の特徴であるデザイン性や意匠性を残すことだけでなく、無駄な手間もかかってしまうため、注意が必要です。
3.コーキングの上に施工できない
コーキングはサイディングボードの目地に充填されているゴムのようなものですが、一般的に外壁塗装の際はこのコーキングも一緒に補修を行います。
クリア塗装はコーキングの上に塗ってしまうと、塗膜の剥がれや汚染の原因になってしまいますので、コーキング補修はクリア塗装の後に行います。
その際はコーキングの色選びにも注意が必要で、外壁の色を考慮したコーキングの色を選ぶ必要があります。
4.ひび割れが発生している外壁にはオススメできない
ひび割れの補修を行った場合、色をつける塗装であればひび割れ補修の跡を目立たなくすることができますが、クリア塗装の場合はひび割れ補修の跡が残ってしまいます。ひび割れ補修の跡が残ってしまうことでどうしても見栄えが悪くなってしまいます。
ひび割れが発生してしまっている場合は通常の色をつける塗装の方が良いかもしれません。
5章目:クリヤー塗装の種類と耐用年数は?
クリア塗料には機能性や成分によって様々な種類のものがあります。
基本的な価格の違いは耐久性によって異なります。
ここで、クリア塗装においての代表的な塗料をご紹介します。
1.ピュアライドUVプロテクトクリヤー(日本ペイント)
シリコン系の外壁保護クリヤー塗料です。強固なシロキサン結合によって高い耐候性を発揮します。
さらに紫外線吸収剤が含まれているため、色あせを抑えることができ、防藻・防かび性にも優れている塗料です。
耐用年数は10年ほどです。
2.ピュアライドUVプロテクト4Fクリヤー(日本ペイント)
フッ素系の外壁保護クリヤー塗料です。
4フッ化エチレンが強力に結合されており、高い耐久性を維持することができます。
さらにピュアライドUVプロテクトクリヤーと同様に紫外線吸収剤が含まれているため、色あせを抑えることができ、防藻・防かび性にも優れています。
耐用年数は15年ほどです。
3.SKシリコンクリヤーW(エスケー化研)
水性シリコン樹脂系のクリヤー塗料です。
アクリルシリコン樹脂の働きで高い耐久性があります。
緻密な架橋塗膜を形成するため汚れを寄せ付けず、低汚染にも優れています。
耐久性は12〜15年ほどです。
4.クリーンSDトップ(エスケー化研)
アクリルシリコン樹脂・光安定剤・特殊な紫外線吸収剤の3つの力で優れた耐久性と汚れにくさを発揮します。
特殊セラミック成分を複合化することで塗膜の表面が親水性になるため、雨を利用した洗浄効果が期待できます。
耐用年数は12〜15年ほどです。
6章目:サイディング外壁をクリア塗装する費用相場は?
通常の色を付ける塗装は下塗り×1回、上塗り×2回で仕上げますが、クリア塗装は上塗り×2回で仕上げるのが一般的です。そのため下塗り×1回分の塗料代と人件費を抑えることができます。
クリア塗装の費用相場は使用する塗料によって変動します。
実際の費用は工事を施工する業者によって異なります。
業者によって塗料の単価設定は異なりますが、ただ安いからといって業者を決めてしまうと後でトラブルが起きた場合、適正な処置をしてもらえないこともあります。
せっかくの塗装工事ですので、なるべくしっかりとアフターフォローや保証制度のある業者へ依頼するようにしましょう。
7章目:まとめ
いかがでしょうか。今回の記事ではクリア塗装についての特徴やメリット・デメリットなどをご紹介しました。
クリア塗装は外壁のデザインや意匠性を活かすことのできる人気のある塗料です。クリア塗装を考えている方は今回の記事を参考に、まずは業者に相談してみましょう。
クリア塗装以外にも、色をつけての塗装の方が現在のお家に合っていたりもするので、ご自分のお家にあった施工方法を選択しましょう。
株式会社タクトではクリア塗料も取り扱っており、講習会や実技講習などにも参加をしています。
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