ラジカル塗料とは?メリット・デメリット、シリコン塗料との違いを解説
2023.02.10
ラジカル塗料は屋根・外壁塗装に用いられる塗料の種類の一つです。
塗装の見積もりを依頼した際、ラジカル塗料の説明を受けることもあるかと思います。
しかしラジカル塗料と言われても塗料についての知識を持っていなければ、なんのことだかわかりませんよね。
今回の記事ではラジカル塗料の特徴やメリット・デメリット、他の塗料との違いなどをご紹介していきます。
目次
1章目:ラジカル塗料(ラジカル制御塗料)とは
ラジカル塗料とは塗膜の劣化を抑える力を持っている塗料です。
ラジカルとは塗膜の劣化を促進してしまう因子の一つです。屋根や外壁塗装に使用される塗料は基本的に顔料が含まれていて、この顔料に紫外線や酸素が触れることによりラジカルが発生します。
つまりラジカル塗料とはラジカルの発生を抑制する効果があり、長期間塗膜の劣化を防ぐことのできる塗料になります。
ラジカル塗料は塗料の主成分となる樹脂の名前ではなく、ラジカル塗料のベースとなるものはあくまでもアクリル樹脂塗料やシリコン樹脂塗料などの従来の塗料になります。
従来の塗料に特殊な成分を配合することによりラジカル塗料となります。
ラジカル塗料にはラジカル抑制のため、高耐候酸化チタンと光安定剤という成分が配合されています。
高耐候性酸化チタンはラジカルバリアという効力があり、ラジカルを発生させる酸化チタンを抑制します。また、光安定剤は発生したラジカルの発散を抑制する効果があります。
ラジカル塗料はこの二つの成分により耐候性が高く劣化しにくい塗膜を形成することができます。
2章目:ラジカル塗料で外壁塗装をするメリット
ラジカル塗料のメリットについてご紹介します。
1.チョーキングが起きにくい
酸化チタンから発生したラジカルによって樹脂がダメージを受け、塗膜の劣化が進んでしまいます。つまり塗膜の劣化=樹脂の劣化ということになり、外壁を触ると白い粉状のものが付着するチョーキング現象が発生します。
ラジカル塗料はラジカルの発生を抑制することができるので、チョーキング現象が起こりづらいといった効果があります。
2.安価で高性能である
ラジカル塗料は価格が安く高性能であるのも特徴の一つで、コストパフォーマンスに優れています。
なぜかというと、塗料に含まれる樹脂は一般的な従来の塗料と変わらないためです。
ラジカル塗料という高性能な塗料になっても、基本的に一般の塗料と価格は大きく変わりはありません。
3.防汚性・防カビ性が高い
ラジカル塗料は汚れやカビが付着しにくいといったメリットもあります。
これはラジカル塗料には光沢があり、光沢のある塗料は汚れやカビをはじきやすくなります。
ツヤ消しも可能ですが塗膜の寿命を延ばしたい場合はツヤありがおすすめです。
4.扱いやすい
ラジカル塗料の中でも水性1液型の塗料であれば作業性が高く、簡単に施工することができます。水性1液型塗料は塗料の伸びが軽く飛散しにくい特徴があるためです。
そのため窯業サイディング、金属サイディング、モルタル、ALC、木部、鉄部など、どんな素材にも塗装することができます。
3章目:ラジカル塗料で外壁塗装をするデメリット
次にラジカル塗料のデメリットについてご紹介します。
1.実績が少ない
ラジカル塗料は販売してから数年しか経っておらず知名度も低いため、積極的に取り扱っている業者が少ないといったデメリットがあります。
そのためラジカル塗料を使用して欲しくても断られてしまう場合もあります。しかし高性能な塗料であるため今後は取り扱う業者も増えて行く可能性もあります。
2.濃い色は思い通りにならない可能性がある
ラジカル塗料に含まれる高耐候酸化チタンは白い顔料です。塗料の種類にもよりますが、濃い色を選べない可能性もあるので注意が必要です。
4章目:ラジカル塗料とシリコン塗料の違い
ラジカル塗料とシリコン塗料の違いを説明する前に一般的な水性塗料についてご説明します。
水性塗料は樹脂・顔料・水や添加物によって構成されます。塗料に含まれる樹脂をアクリル系・シリコン系・無機フッ素系などに変えることで、様々な塗料を作ることができます。
また、顔料は白色顔料やその他顔料で調色することによって、淡彩色から濃色まで作ることができます。
では次にラジカル塗料と人気のあるシリコン塗料についてご紹介します。
ラジカル塗料は何かしらの樹脂とラジカル制御型酸化チタンを使用した塗料のことです。
それと比較し、シリコン塗料はシリコン樹脂と従来の酸化チタンを使用した塗料のことです。
このようにどのような樹脂や顔料を使っているかによって塗料の呼び方が変わります。
ラジカル制御型シリコン塗料は通常のシリコン塗料と比較すると、高い耐候性があります。本来の塗料の耐候性は塗料に含まれる樹脂によって決まります。
樹脂はアクリル<ウレタン<シリコン<フッ素<無機フッ素の順番で耐候性が高くなります。耐候性の高い塗料を選ぶポイントは塗料に使用されている樹脂に注目することが大切です。
5章目:ラジカル塗料を製造しているメーカーと商品名
人気のラジカル塗料をメーカー別でご紹介します。
1.パーフェクトトップ(日本ペイント)
パーフェクトトップは最初に誕生したラジカル塗料なので、最も有名な塗料になります。
正式な名称は1液水性ラジカルハイブリット高耐候性塗料といい、1液型水性塗料にもかかわらず、シリコン系塗料を越える耐久性があります。
また、ポリマーハイブリッド効果により塗装しやすく光沢性もあり、親水化技術により雨垂れなどの汚れを防ぐことが出来ます。
2.アレスダイナミックTOP(関西ペイント)
アレスダイナミックTOPは高湿度な環境でも塗装をすることができる塗料です。
下塗り材のアレスダイナミックフィラーと中塗り材のダイナミック強化剤を組み合わせることで高い付着力を発揮することが出来ます。そのため多少の雨が降っている環境でも安心して塗装を行うことができます。
また、紫外線が酸化チタンまで到達するのを阻止し、ラジカルの発生を抑えることで塗料の耐久性を向上します。
3.エスケープレミアムシリコン(エスケー化研)
エスケープレミアムシリコンはエスケー化研より販売されているラジカル塗料です。
エスケープレミアムシリコンは高緻密無機シールド層と高緻密有機シールド層でラジカルの発生を抑制し、ラジカルが発生した場合はハイブリッドシリコン樹脂で押さえ込み劣化の進行を防ぎます。
従来のシリコン塗料と比べて耐候性に優れていて、汚れやカビも付着しにくい塗料になります。
6章目:ラジカル塗料での外壁塗装がおすすめの人
ラジカル塗料を使用しての外壁塗装がおすすめの人は以下の通りです。
・初期費用が多少高くなっても良い塗料を選びたい
・見積もりがラジカル塗料と一般塗料の価格が同程度である
・淡彩色系の色で塗装を考えている
ラジカル塗料を選ぶ際はどのような樹脂を使用しているのかを確認するようにしましょう。
塗料の比較を行う場合は必ず同じシリコン樹脂のもの同士で比較してみるようにしましょう。
7章目:まとめ
いかがでしょうか。
ラジカル塗料は厳密に言うとラジカル制御型酸化チタンが配合された塗料のことで、どのような樹脂を使用しているかも塗料選びにおいて大切なポイントになります。
現在販売されているラジカル塗料にはそれぞれ違いや特徴があります。お家の劣化具合や状態に適したラジカル塗料を見つけて塗装してもらうようにしましょう。
また、ラジカル塗料は他の塗料と比べると新しい塗料なので扱いに慣れていない業者がいる可能性も十分にあります。
ラジカル塗料を使用して塗装を依頼する際は、しっかりと実績のある業者に依頼するようにしましょう。
株式会社タクトではラジカル塗料を初め、様々な種類の塗料を取り扱っています。
定期的に塗料の講習会を行っているため塗料についての知識や技術もしっかりと兼ね備えておりますのでご安心してお任せください。
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