吹き付けタイルとは?その特徴やメリット・デメリットについて解説
2023.08.04
吹き付けタイルという外壁をご存知でしょうか?
タイルと聞くと、四角いタイルが壁に貼り付けられているのを想像する方も多いかと思いますが、吹き付けタイルはそれとはまた別物です。
今回はそんな外壁材の一種の吹き付けタイルについて、その特徴やメリット・デメリットについてを詳しくご紹介していきます。
目次
1章目:吹き付けタイルとは何か
1.吹き付けタイルとは?
吹き付けタイルは外壁の吹き付け塗装の一つで、一般的にはモルタルの仕上げに使われることが多いです。
専用のスプレーガンで下塗り・主剤・上塗りで仕上げていきます。
同様の吹き付け工法のリシンやスタッコは塗料の中に骨材とセメントを混ぜますが、吹き付けタイルには骨材は入っていないため仕上がりの表面はザラザラではなく、凹凸のある滑らかな仕上がりになります。
吹き付けた後にローラーで凹凸を潰す方法もあります。
スプレーガンを用いて吹き付けを行いますが、一定の模様に吹き付けるためには高い技術が必要になります。
2.吹き付けタイルの特徴は?
吹き付けタイルは厚塗りで施工されます。
完成までに3行程を行うため、吹き付けタイルは複層仕上塗材に分類されます。
吹き付けタイルは凹凸のある模様で表面がツルツルと滑らかなのが1番の特徴です。
硬質な吹き付けタイルは比較的安価で施工することができますが、ひび割れが起きることがあります。弾性タイルと呼ばれているタイプもあり、それはひび割れしにくい素材で出来ています。
弾性タイルは防汚性・防水性が高められていて、微細なひび割れに追従することができます。
しかし年月が経つにつれて硬くなり経年劣化によるひび割れは発生してしまいます。
そのため、他の外壁材と同じように定期的なメンテナンスが必要になります。
吹き付けタイルは色や光沢のバリエーションも豊富なため、仕上げ材の中でも人気があります。
3.吹き付けタイルの種類
①中粒仕上げ
中粒仕上げは数センチの凹凸が外壁表面に広がっている仕上げ方法です。
紙粘土状態のタイル材を外壁に吹き付けて数センチの凹凸模様を作っていきます。
吹き付けタイルの仕上げ方法の中ではあまり用いられないタイプですが、模様が均等になるため中粒仕上げの仕上げ方法を好む方も多くいます。
②押さえ仕上げ
押さえ仕上げは吹き付けタイルの仕上げ方の中で最も人気があります。
中粒仕上げと同じように紙粘土状のタイル材を外壁に吹き付け、タイル材が完全に乾く前にローラーやコテなどを用いてタイル材を押さえて仕上げます。
タイル材を抑えることでタイル材が潰れて不規則な模様に仕上がります。
2章目:吹き付けタイルのメリット・デメリットについて
吹き付けタイルは広く普及していて人気もあります。
そんな吹き付けタイルのメリットとデメリットをご紹介します。
1.メリット
1-1.バリエーションが豊富
吹き付けタイルはカラーや艶など、デザインのバリエーションが豊富なのがメリットの一つです。
スプレーの先端を調整することで模様の粒の大きさを変えることができ、仕上がりの印象を変えることができます。
また、仕上げの方法によってもイメージが違います。
様々な仕上がりパターンから選びたい方や高級感のあるデザインにしたい方におすすめです。
1-2.ひび割れや汚れに強い
吹き付けタイルは仕上げ材の中でもひび割れしにくく汚れに強いのも特徴です。
これは3層から形成される硬い塗膜のためです。
さらに表面が滑らかで艶があるため、汚れが落ちやすいというメリットもあります。
吹き付けタイルは外観を美しく維持しやすい仕上げになります。
1-3.手作業よりも安価
吹き付けるタイプの仕上げはローラーやコテなどの手作業の仕上げより安価になります。
これはスプレーガンを使用するため、短い時間で広範囲を施工できるためです。
2.デメリット
2-1.作業中の騒音が出る
スプレーガンを使用する際はコンプレッサーという空気を圧縮して送り出す機械を使うため、工事中はどうしてもコンプレッサーの機械音がしてしまいます。
そのためお家が密着している住宅地の場合は特に注意が必要になります。
2-2.塗料が飛散する
吹き付けをするとどうしても塗料が周りに飛び散ってしまうため、周りを汚さないように養生作業をする必要があります。
また、塗料が飛散するためその分の塗料が無駄になってしまいます。
同じ面積でもローラー仕上げよりも多めの塗料が必要になります。
2-3.職人の技術が必要
スプレーガンを使用して均一に吹き付けるのには職人の技術が必要になります。
しっかりとした経験がなければ模様にムラができてしまいます。
仕上がりは外壁の見た目を左右するものなので、技術のある職人に施工してもらうのが安心です。
3章目:吹き付けタイルの耐用年数について
吹き付けタイルは使用する仕上げ材の塗料の種類によって耐用年数は変わっていきます。
ここでは仕上げ材によく使用される塗料ごとの耐用年数についてご紹介します。
1.ウレタン塗料
ウレタン塗料はウレタン系樹脂が主成分の塗料で密着力が高いため、様々な種類の表面に塗布することができます。
剥がれにくく塗料の弾力もあるので木製の下地にも相性良く使用することが出来ます。
ウレタン塗料で吹き付けを行った場合の耐用年数は約6〜10年となります。
2.シリコン塗料
シリコン塗料はシリコン系樹脂を主成分としていて、外壁塗装に多く使用されている塗料です。
耐候性や耐水性、耐熱性に優れているため屋根の塗装などにも使用することが出来ます。
耐用年数は8〜15年とウレタン塗料よりも長くメンテナンス性にも優れていますが、ウレタン塗料よりも価格が高くなってしまいます。
3.フッ素塗料
フッ素塗料はフッ素樹脂を主成分とした塗料です。
耐久性にとても優れていて、カビやもなども生えにくいといった特徴もあります。
湿気の多い場所や日当たりの悪い場所等に使用するのがおすすめです。
耐用年数も他の塗料よりも高く、15〜20年ほどになります。
4章目:吹き付けタイルの施工単価について
吹き付けタイルの施工費用はおおよそですが、80〜140万円ほどになります。
金額は施工面積や使用する塗料によって上下します。
耐久性の長い塗料ほど単価は高くなりますが、足場代や高圧洗浄の単価は変わらないため、耐用年数の長いフッ素塗料や無機塗料の方が長期的にみるとコストパフォーマンスは良くなります。
予算や今後のライフプランなどを考えて塗料を選択するようにしましょう。
5章目:吹き付けタイルの施工方法について
1.吹き付けタイルの施工手順
①高圧洗浄
塗料がしっかりと密着するように高圧洗浄で汚れや苔などを除去します。
②下地処理
外壁にひび割れなどがある場合はコーキング材等を使用して下地補修を行います。
③養生
塗装しない箇所を汚さないように養生を行います。
④下塗り
外壁面と重ね塗りする塗料の密着力を向上するために下塗り塗料を塗ります。
⑤模様付け
下塗り終了後、服装仕上げ材のベースとなる主剤を吹き付けて模様付けを行います。
コンプレッサーで吹き付けた後にローラーやコテを使用して形を整えていきます。
⑥仕上げ塗り
模様付けが終わったら、仕上げ塗りを行います。
仕上げ塗りは凹凸のある表面を専用のローラーを使用して平にならしていくヘッドカット仕上げなどの仕上げ方法があります。
2.吹き付けタイルのメンテナンス方法
2-1.水で洗浄する
外壁に付着した軽い汚れや埃などは水洗いで綺麗に落とすことが出来ます。
汚れている場所によってはバケツやホースなどを使用して水をかけて綺麗にしましょう。
油性の汚れや苔・藻などは落ちにくい場合もありますが無理に力強く擦ったりはしないようにしましょう。
2-2.洗剤を使用して洗う
排気ガスなどの油汚れは、洗剤を使用して洗いましょう。
吹き付けタイルは凹凸がありますが艶があるので拭きやすい外壁材です。
ブラシやスポンジ、柔らかい布などで外壁に傷を付けないように優しく擦りながら綺麗にしていきましょう。
強く擦りすぎると外壁が傷ついてしまい、劣化症状を引き起こしてしまう可能性もあるので注意しましょう。
また、研磨剤が入った洗剤は外壁を傷つけてしまうので使わないようにしましょう。
洗剤を使用して掃除をした後は、しっかりと洗剤を落とすことも忘れないようにしてください。
2-3.塗装
ご自身でのメンテナンスで綺麗に出来ない藻やコケがあったり、劣化症状のチョーキングや塗膜の剥がれ、ひび割れ等の症状がある場合は再塗装してしまうのがおすすめです。
再塗装を行う際は、吹き付けタイルにしっかりと塗装を行える職人に工事を依頼しましょう。
また、塗装を行う際は以下の2点に注意が必要です。
①高圧洗浄を丁寧に行う
吹き付けタイルは塗装前の高圧洗浄を丁寧に行ってもらいましょう。
表面の凸凹部分に汚れが残ってしまったまま塗装を行うと、塗膜の膨れや剥がれの原因になります。
塗装工事は下地補修の段階から丁寧に作業をしてくれる業者に依頼するようにしましょう。
施工写真を撮って記録してくれる業者であると安心です。
②適切な下塗り材を使用する
再塗装の下塗り剤は、適正なものを選ぶことが大切です。
下塗りは3回塗りの中の最初の塗装で吹き付けタイルと塗膜を接着する大切な役割を持っています。
下塗り剤は業者が現調や見積もりの段階で決定します。
提案を受ける際は下塗りがきちんと適しているものなのかを確認して、説明をしてもらうようにしましょう。
6章目:まとめ
いかがでしょうか。
近年はサイディング外壁が主流になってきましたが吹き付けタイルもまだまだ人気の外壁の一つです。
吹き付けタイルはリシンやスタッコ仕上げとは違い艶があるため多少の汚れは付きにくく、さらに塗膜も厚く仕上がるため外的要因からの耐久性も高いといった利点があります。
吹き付けタイルのメンテナンスで再塗装を依頼する際は、何社かに見積もりを依頼して自分の満足のいく業者を探すようにしましょう。
株式会社タクトでは豊富は知識と経験、技術を持ち合わせた塗装のプロ軍団です。
もちろん吹き付けタイルのメンテナンス塗装もお任せください。
塗装に関して気になることがありましたらお気軽にご相談ください。
また、ドローンを使用した建物診断・お見積もりは無料で行っています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
塗装後のアフターフォローサービスも充実していますので、工事後もご安心してお任せください。