外壁塗装で火災保険を利用する条件とは?申請方法や注意点を解説
2023.03.07
住宅の火災保険は、火災のみではなく台風や大雪などの自然災害にも対応しています。
しかし火災保険の種類によって、対応している災害の範囲が異なるので注意が必要です。
今回の記事では外壁塗装の視点から火災保険についてご紹介していきます。また、火災保険利用の手順やポイント、注意点も解説していきます。
目次
1章目:火災保険で外壁塗装は施工できる
火災保険は火災だけでなく台風や落雷、大雨などの自然災害によるお家の被害にも対応しています。大きな被害でも、塗装で住むレベルの破損でも、保険金を請求できるケースは多くあります。
また、外壁だけでなく屋根や雨樋の破損などにも対応しています。
2章目:火災保険が外壁塗装の費用に適用される条件
外壁塗装に火災保険が適用される条件は以下の3つがあります。
1.風災等による損害である
火災保険が外壁塗装に適用される条件は、災害によって外壁に補修や塗装が必要になった場合のみです。
つまり原因が火災や自然災害でなければ火災保険の補償は受けることができません。
自然災害とは台風・大雨・大雪などです。水害や窃盗などはプランによっては補償の対象外になってしまうので注意が必要です。実際に水害補償に加入しているのは火災保険加入者の約20%ほどと言われていて、加入していない人の方が多いです。
また、地震による火災や破損も火災保険の補償対象外となります。地震によるリスクもカバーしたければ地震保険に加入する必要があります。
2.被災から3年以内に申請を行う
火災保険を適用することができるのは、被災から3年以内に申請をした損害のみです。
例えば4年前の台風で外壁塗装が必要になったといった場合は、火災保険を適用することはできないので注意しましょう。
なお、実費ですでに工事を行ってしまっていても、被災から3年以内であれば工事の請求書をもとに保険金を請求することができます。また、追加工事も内容によっては申請をすることもでき、申請が認められることもあります。
3.費用が火災保険の免責金額を超えている
火災保険には免責金額が定められています。免責金額とはこの金額以下は自己負担で直してくださいという基準の金額になります。
この免責金額を下回った補修工事の場合は火災保険は適用されないため注意しましょう。
保険の内容にもよりますが、火災保険の免責金額は20万円ほどで設定されていることが多いです。
3章目:火災保険が外壁塗装の費用に適用できないパターン
火災保険が降りないケースもいくつかあります。
いざというときに後悔しないように、火災保険が外壁塗装の費用に適用されないパターンをご紹介します。
1.経年劣化による損害
火災保険は自然災害による損害を補償するものなので、経年劣化が原因の損害には保険金は支払われません。
例えば、台風の大雨で雨漏りが生じた場合、経年劣化による外壁の隙間や歪みからの雨漏りである場合は、損害の原因が経年劣化になるため、火災保険は適用されません。
2.故意的な損害や法令違反による損害
故意もしくは法令違反で損害が発生した場合は保険金はおりないと定められています。
例えば、保険金目当てで自宅に放火した場合は火災保険は支払われません。
また、故意的に放火した場合でなくても、重大な過失によって火災が発生した場合も火災保険を利用することはできません。
重大な過失とは、
・ストーブをつけたまま寝た
・ガスコンロに火を付けたまま外出した
・布団の上でタバコを吸っていた
などがあります。
しかしこれらと同じような原因による火災でも、裁判で重過失ではないと判決されるケースもあります。重過失についての線引きについては揉めることも多くあるので、そうならないためにも日常的に気をつけておくことが大切です。
3.業者のミスや施工不良による損害
火災保険は初期不良やリフォーム中の損害は補償の対象外となります。
施工不良は災害ではなく業者のミスや過失によるものなので、その分の損害は業者から賠償を受けることになります。
保証期間内であれば業者やハウスメーカーが無償で補修の対応をしてくれる可能性があります。
施工不良での損失の場合は保険会社ではなく施工業者やハウスメーカーなどに問い合わせてみましょう。
4章目:火災保険の種類について
火災保険の適用条件をご説明しましたが、火災保険にはどんな種類があるのかを簡単にご紹介します。
1.住宅火災保険(対応物件:住宅)
最も一般的な火災保険です。
火災による損害のほか、落雷や台風、大雨や大雪、雹などによる損害を補償します。
2.住宅総合保険(対応物件:住宅、家財)
住宅火災保険の補償内容に加えて、飛来物の落下や衝突、水漏れや盗難などによって生じた損害なども補償することができます。
3.オールリスクタイプ(対応物件:住宅、家財)
住宅総合保険の補償内容に加えて、水回りのトラブルや鍵の紛失の対応も受け付けています。
災害時の時価ではなく実損額で補償される商品が多いです。
4.特約火災保険(対応物件:住宅)
住宅金融支援機構などから融資を受けて住宅を購入した際に加入する火災保険です。
平成28年4月以降は新規の加入は認められていません。住宅総合保険と同等の補償範囲が定められています。
5.店舗総合保険(対応物件:店舗、事務所、備品)
店舗や事務所の損害に備えるための火災保険です。
建物への補償に加えて、備品や家財への補償も受けることができます。
6.普通火災保険(対応物件:店舗、事務所、動産)
店舗、事務所、工場の損害に備えるための火災保険です。
事業用の建物や動産の補償を受けることができます。
5章目:外壁塗装に火災保険を申請する時の手順
実際に火災保険を利用する際は以下のステップを踏むことになります。
1.火災保険の種類を確認する
まずは火災保険の保険証券でお家の火災保険の種類を確認します。
火災保険の契約書からも保険の適用範囲を確かめることもできます。
加入している保険によって適用範囲が違うため、お家が受けた損害が火災保険の対象になるかどうかをしっかりとチェックしましょう。
2.塗装業者に見てもらう
塗装業者に連絡して現地調査をしてもらい、お家の損害状況を現地調査してもらいます。
保険金額の調査のため、塗装工事の見積もりを作成してもらいましょう。
3.必要な書類を揃える
塗装業者の見積もりの後は申請に必要な書類を作成します。
保険会社には損害箇所の写真の提出が必要になることがあるので、忘れずに撮影しておくようにしましょう。
書類作成は塗装業者に手伝ってもらいながら進めましょう。
火災保険の保険金の申請に必要な書類は主に以下の3つです。
・保険金の請求書
・修理にかかる見積書
・損害がわかる写真
しかし工事金額が保険金の免責金額を下回っている場合は保険金はおりません。
見積もりを出してもらったら見積金額をチェックするようにしましょう。
4.保険会社による調査を受ける
必要書類の提出が完了したら、保険会社による調査が行われます。
損害鑑定人がお家の損害状況を直接確認して損害鑑定人の報告を元に保険会社が内容を決定します。
ここで申請が却下されることもあるので注意が必要です。
5.保険金の支払いを受ける
鑑定人による調査が終了して問題がなければ保険金の受給が確定し、保険金が支払われます。
火災保険の支払い期限は原則、請求手続きから30日以内に支払われます。
しかしこれはあくまでも原則であり、調査や請求内容の確認などに時間がかかり30日を超えてしまうケースもあります。ここで注意しなければならないのが、保険金の支払いよりも先に工事費用の入金が必要になることです。
特に大規模な台風などの後は請求が集中し、支払いが遅れることがあります。
6章目:外壁塗装に火災保険を利用する際の注意点
実際に外壁塗装に火災保険を利用する際は、事前に知っておくべき注意点があります。
火災保険を利用する際の注意点をご紹介するので、しっかりと注意点を把握しておくようにしましょう。
1.被害状況を写真で残しておく
外壁塗装での火災保険を申請する場合は災害による損害の被害写真を残しておく必要があります。
自分で補修を行ってしまったりすると被害状況を確認することができないため、火災保険が利用できない可能性もあります。
災害による損害を受けた場合は、被害状況の写真を修理前にとっておくようにしましょう。
2.申請手続きは自分で行う
火災保険の申請代行は契約違反のため、申請は必ず被保険者本人が行う必要があります。
「火災保険の申請は弊社で行います」と火災保険の申請代行を申し出てくる業者には注意しましょう。
しかし申請の手伝いをしてもらうことは問題ありません。被害状況の写真の準備や申請書の書き方などは塗装業者にサポートしてもらいながら進めましょう。
中には保険金を騙し取ろうとする業者もいるので、信頼できる業者へ依頼することが大切なポイントです。
3.満額がもらえるとは限らない
例えば修理に100万円かかる工事の火災保険を申請したとしても、満額が受理されるとは限りません。
鑑定人による調査の結果、40万円しか認められずに40万円しか保険がおりないこともあります。
満額もらえるかと思って工事の契約をしてしまうと、満額もらえなかった場合に工事代金が払えないなんてことにもなってしまいますので、被害状況を適切に判断できる業者へ工事依頼をすることが大切になります。
7章目:悪徳業者が言う「火災保険で外壁塗装ができる」は要注意
そもそも火災保険での外壁塗装にデメリットはないのか?と思う方もいると思います。
火災保険を利用すれば外壁塗装が無料になるなんて、いまいち信じきれないところもありますよね。
結論から言うと火災保険を利用して外壁塗装を行うこと自体にはデメリットはありません。火災保険は保険金額内であれば何度も申請することができて、申請によって保険料が上がることもないからです。
しかし、業者の中には火災保険での外壁塗装を詐欺の手段として利用している業者や、虚偽申請をして保険金を不正受給することを薦めている業者もいます。火災保険を利用しての外壁塗装は、こういった悪徳業者に引っかかってしまう可能性があることがデメリットと言えるでしょう。
実際にこの火災保険のトラブルは多発していて、国民生活センターや日本損害保険協会も注意喚起をしているので、火災保険を利用する際の業者選びは慎重に行いましょう。
こういったトラブルに巻き込まれないためにも以下の点に注意しましょう。
1.「無料で工事できます」と薦めてくる業者には注意
「無料で工事ができます」と断言する業者は危険です。
火災保険の保険金がおりて修理費用が無料になることもありますが、それは保険の契約内容で異なります。契約内容を知らない業者が無料で工事ができますとは言えないはずです。
絶対に火災保険が利用できますと言われてもすぐに契約しないで、まずは加入している火災保険の契約内容を確かめて、保険会社に連絡してみましょう。
2.契約書に不審な記述がないか確信する
契約書の内容をしっかりと確認しなかったために、トラブルが生じたケースもあります。
クーリングオフができますと言われたが、後から手数料や違約金などを請求されるなんてこともあります。
塗装工事自体が詐欺の多いリフォーム工事であるので、火災保険の申請を行う際は特に注意が必要です。
3.保険金を手数料として支払う契約は詐欺
工事の契約の条件として、保険金の一部を申請手数料として業者に支払う等の条件を設けている業者は間違いなく悪徳業者です。
火災保険はあくまでも修理工事の費用として支払われるものなので、一部を業者へ手数料として支払うといったことはありません。
4.虚偽申請には注意
経年劣化による破損を自然災害によるものと偽って申請したという話もあります。施主が自然災害での損傷ではないと伝えても、誤魔化す業者もいるようです。
虚偽の火災保険の申請は契約違反となるため絶対にしてはいけません。仮に虚偽申請をした場合は保険契約の解除や保険金の返金を求められます。最悪の場合は、業者とともに契約者も詐欺の共謀者として責任を問われることもあります。
虚偽の火災保険申請を薦められたら、必ず断るようにしましょう。
8章目:まとめ
いかがでしょうか。
火災保険と言っても火災による損害だけでなく自然災害にも保険が適用されます。
万が一のためにも契約している火災保険の内容をしっかりと見て理解しておくことが大切です。
この機会にお家の火災保険について見直してみましょう。
株式会社タクトでは火災保険を利用しての外壁塗装も承っております。
今回ご紹介した通り、代行しての火災保険申請はできませんが被害状況の写真の準備や書類の書き方など、できる限りのことはしっかりとサポートさせていただきます。
損害を受けてしまった箇所の補修工事はもちろんのこと、工事を承ったからには心を込めて丁寧に作業いたしますのでご安心ください。
また、建物診断・お見積もりは無料で行っていますので、自然災害が発生した際にはご連絡いただければ、損傷箇所はないかの確認もさせていただきます。
お家をしっかりと診断することで適正な補修工事をさせていただきます。
塗装やお家のことならタクトにお任せください。
皆様からのご連絡お待ちしております。