外壁塗装において重要なコーキングの役目とは?
2022.07.06
外壁塗装工事を行う際には塗料の種類や金額のことについて気にする方が多いかと思いますが、お家のコーキングも同じくらい重要なものです。
どんなに外壁を綺麗にしてもコーキングが劣化していると、美観性の低下や外壁の劣化を促進させる原因にもなりかねません。
外壁塗装を行う際はこのコーキングについて、業者がどんなメンテナンスを行ってくれるのかが大切になります。手抜きのコーキング補修を行う悪徳業者もいます。コーキングについて考えないまま外壁塗装を進めてしまうと、せっかくの塗装工事が施工不良だった。。。という失敗もあります。
今回の記事ではお家にとってのコーキングの重要性や劣化症状、正しい補修方法などを詳しくご紹介していきます。
目次
1章目:外壁塗装のコーキングってなに?
お家のサイディング外壁やALC外壁など、外壁材の目地に充填されるものがコーキングです。(シーリングとも言います。)また、モルタル外壁のひび割れを補修する際にもコーキング材やシーリング剤を使用します。
外壁のコーキングは外壁材の目地からの劣化や雨漏りを防いだり、地震などの揺れから外壁材がズレたり擦れたりするのを防いでくれる役割があります。
2章目:コーキングは絶対に必要なの?
外壁においてのコーキングは雨漏りを防ぎ、下地の劣化を早めないためにとても大切です。
特にサイディング外壁などでは目地に隙間が生まれてしまうため、コーキングでしっかりと塞ぐ必要があります。目地に隙間があると、隙間から劣化が進み、外壁の劣化を早めてしまいます。
さらに建物は気温差等で目視が出来ないほどのレベルでわずかに伸縮や振動が起こります。コーキングは弾力性があるため、こういった伸縮・振動活動や地震による振動による外壁へのダメージを緩和する役割もあります。
3章目:コーキングの寿命は?
お家の大切な役割を持っているコーキングですが、一般的に寿命は5〜10年と言われています。コーキング材は可塑剤という弾力性を持たせるための成分が入っていて、この可塑剤が年数が経ち劣化してしまうことで、コーキングは弾力性を失ってしまいます。弾力性を失うことで、コーキングの耐久性・防水性が弱まり劣化が進んでしまいます。
さらに、コーキングは外壁のように硬くはないため、紫外線や気温・湿度などの影響を受けやすく、塗膜などに比べて劣化が早いと言われています。コーキングは定期的に観察し、下記のような劣化症状が見られたら、なるべく早めにメンテナンスを行うようにしましょう。
1.ひび割れ、破断
外気温や赤外線などの影響でコーキングの弾力性が失われてくると、地震などの振動の衝撃によりひび割れが発生してしまいます。さらにひび割れを放置すると、コーキングが裂けてしまったり、穴が空いてしまう恐れもあります。
この状態を破断といいます。そうするとひびや穴の隙間から雨水が侵入してきてしまいます。
雨水が直接侵入してきてしまうと、建物の下地まで浸透してしまい、建物の強度に影響を与えてしまう恐れもあります。
2.肉やせ
コーキング材に含まれる可塑剤が表面に溶け出てきてしまい、コーキング自体の厚みが薄くなってしまいます。さらに可塑剤が溶け出てしまっているため弾力性はなくなり、コーキング自体が硬くなってしまい、コーキングが硬くなってしまうと、地震などの揺れからの耐久性が低下したり、ひび割れが起きやすくなってしまいます。
肉やせの原因としてはコーキング充填時のコーキング材の量不足や密着力を高めるプライマーの塗布不足などがあります。
肉やせが起こると外壁とコーキングの間に隙間ができてしまうので、その隙間から雨水が侵入し建物の強度に影響を与える恐れがあります。
3.ブリード
ブリードとはコーキングに沿って黒いシミのようなものが滲み出てきてしまう現象です。
ブリードはコーキング材の中の可塑剤という成分が塗料や汚れと反応して滲み出てきてしまうために発生します。ブリードは見た目が悪くなってしまうだけではなく、コーキングに弾力性を持たせている可塑剤が滲み出てしまうため、コーキングの弾力性がなくなり劣化のスピードを早める原因になります。
4.欠落
コーキングが剥がれて落下してしまっている状態です。
ひび割れや破断を放置し続けると、やがてコーキングは剥がれて落下してしまいます。こうなってしまったら、もう目地はスカスカの状態でコーキングが無いのと同じ状態なので、早急に対処しましょう。
コーキングの劣化は目視で確認しやすいので、定期的に観察して見るようにしましょう。
お家を建ててから5年以上が経過している場合はコーキングが劣化している可能性があるので、一度お家のコーキングをチェックしてみてください。
1箇所劣化していれば、全体的に劣化している可能性が高いです。劣化してるかも?と感じた場合はお近くの業者に相談してみてください。
4章目:コーキングの打ち増しと打ち替えってどう違うの?
コーキングのメンテナンスを行う際は「増し打ち工事」と「撤去打ち替え工事」の2種類があります。それぞれの工事は補修方法が異なりますので、ここでしっかりと確認してみてください。
1.増し打ち工事
コーキングの増し打ち工事はその名の通り、劣化したコーキングの上からさらにコーキング材(シーリング材)を充填する方法です。
劣化したコーキングは剥がさなくても大丈夫なのか心配だと感じる方もいらっしゃると思います。コーキングを剥がす施工方法の撤去増し打ち工事は後ほどご紹介しますが、どうせならコーキングを全て剥がしてメンテナンスをしたいと考える方もいるかもしれません。
しかし、コーキングの撤去ができない場合があります。それはどこかというと、サッシ廻りなどコーキングを撤去してしまうと建物自体の耐久性に問題が生じてしまう箇所です。中でもツバが出ているサッシ周りのコーキングは、サッシの形状を考えるとコーキングを全て撤去するのが難しいのです。無理に撤去しようとすると、サッシを傷つけたり防水シートまで切ってしまう可能性があります。基本的にサッシ廻りのコーキング工事は増し打ち工事を行います。
ただ、コーキングが撤去できる状態であったり、既存のコーキングがボロボロに劣化してしまっている状態などでは、撤去する場合もあります。必ず増し打ち工事でなければいけないということではないので、業者とよく相談してから施工を依頼しましょう。
2.撤去打ち替え工事
コーキング増し打ち工事ともう一つの方法がコーキング(シーリング)の打ち替えです。この工事は既存の劣化したコーキングを全て撤去してから新しくコーキング材を充填する方法です。
増し打ちの場合、既存の古いコーキングの劣化箇所からまたひび割れが起きたり、隙間ができたりしてしまう可能性があります。また、古いコーキングと新しいコーキングがしっかり馴染まずに、新しいコーキングが剥がれてしまうこともあります。コーキングを長持ちさせるために、できれば建物全体に打ち替えを行う方が良いでしょう。
しかし打ち替えは増し打ちよりも手間が掛かるため費用が高くなってしまったり、場合によっては増し打ちの方が良い場合もあるので、コーキング工事は専門の業者にしっかりと相談をした上で判断しましょう。
5章目:コーキングの相場は?
外壁塗装の塗装面積は㎡の単位で表示されますが、コーキング工事の場合は基本的にmの単位で表示されます。
コーキング工事の相場は、施工方法によって異なりますが
・増し打ち工事:500~900円/m
・撤去打ち替え工事:700~1200円/m
これくらいが相場だと言われています。
コーキングの費用は増し打ちの方が使用するコーキング材が少なく済むため費用を抑えることができますが、劣化箇所や劣化具合によって適正な工事方法で補修を行うことが大切です。コーキング工事を行う際は専門業者と話し合って、適正な工事を行えるようにしましょう。
さらに見積もりの表示方法が「コーキング工事一式」などの表示方法である場合は注意が必要です。どんな施工方法でどこまでコーキングの補修を行ってくれるのか、しっかりと確認するようにしましょう。
6章目:コーキングの劣化が分かるサイトとは?
現代はインターネット等の普及により、コーキングや専門業者についてネットで検索する方が多いと思います。
そんな時は専門業者が作成している記事やHPを見るようにしましょう。専門業者はコーキングの知識や住宅に関する知識等も兼ね備えているので、参考になるはずです。
さらにHPに施行事例が掲載されている場合は、どんな物件がどんな工事を行ったのかも確認してみましょう。知識と経験を兼ね備えている業者さんであれば安心してお任せすることができます。
7章目:コーキングの先打ちと後打ちについて
外壁の塗装をする際に、塗装の前にコーキング工事を行う「先打ち」と塗装の後に工事を行う「後打ち」とがあります。
外壁塗装を行う際のコーキング工事は基本的に「先打ち」を行います。
コーキングの「先打ち」はコーキングの上に塗料を塗ることにより、コーキング自体を塗膜で保護することができるため、耐久性を上げることができます。
さらにコーキング部分が外壁と同じ色に仕上がるので、コーキング部分が目立たなくなります。
しかし注意点としては、コーキングは弾力性があるので、塗装した際の塗膜がコーキングの弾力性に適応できない場合は塗膜がひび割れてしまうこともあります。
外壁塗装の後にコーキング工事を行う「後打ち」は主にクリアー塗料を使用する際に行います。コーキングの上に塗膜を作らないので、塗膜がひび割れる心配はありませんが、コーキングが剥き出しの状態になってしまうため、耐久性の高いコーキング材を使用する必要があります。
8章目:外壁のコーキングが劣化?心配になったらどうすればいい?
ここまででコーキングの劣化や工事方法などがお分かりいただけたと思います。
コーキングの劣化を気づかずに放置してしまうと、コーキングの劣化箇所から建物内部へダメージが伝わり、建物の構造にまで影響を与えてしまう恐れもあります。
定期的にコーキングの観察をしてみて、そろそろメンテナンスが必要かな?と感じた場合はなるべく早めに業者に相談してみるようにしましょう。建物診断やお見積もりが無料の業者も多いので、メンテナンスを行う際はいくつか業者に相談をして、安心して任せられる業者に依頼しましょう。
さらにコーキング工事をDIYでやってしまおうと考える方も多いですが、コーキング工事はかなりの腕が必要とされているため、注意が必要です。
コーキング材は種類によって乾燥させるだけで良いものと、凝固剤を混ぜ合わせて使用するものがあります。凝固剤を混ぜ合わせて使用するコーキング材は耐久性が高い分、高度な技術が必要な工事のため素人の方が簡単にできる工事ではないのです。
また、サイディングの外壁の場合はボードの間の全てとサッシ廻りなど、広範囲に渡ってコーキング工事が必要になるため、とても大変な作業になります。
無理にDIYをして、逆にコーキングを劣化させてしまうこともあるので、DIYに慣れていない方は業者に依頼することをおすすめします。
9章目:まとめ
いかがでしょうか。コーキングはお家を様々な要因から守る大切な役割を持っています。
今回ご紹介したような劣化症状がないか、ご自宅のコーキングをぜひ確認してみてください。コーキングの一般的な寿命は5~10年とご紹介しましたが、ご自宅の環境などによってはもっと早く劣化が進行してしまうケースもあります。少しだけなら大丈夫と思っていて放っておくと、コーキングだけではなく、ご自宅の建物自体がダメージを受けてしまう恐れもあります。
手遅れになる前に一度専門業者に相談することが大切です。
株式会社タクトでは、建物診断時には必ずコーキングの状態を確認し、適切なメンテナンス方法をご提案いたします。建物診断にはドローンを使用するので、高所など普段見ることの出来ない部分まで見逃しません。
建物診断・お見積もりは無料ですのでお気軽にお問い合わせください。
工事の着工から完工するまでの間は、匠の技術を持ったタクトの職人が丁寧に心を込めて施工します。完工後の検査では一度社内で検査を行った後に、お客様に実際に足場に上っていただき、出来上がりのチェックをしていただいております。せっかくの塗装工事ですので、お客様にご満足いただけるように何事にも全力で行います。
さらにタクトではアフターフォローが充実しています。塗装工事が完了した後も10年の間、定期的にお客様のお家へお伺いさせていただき、ご自宅の点検をさせていただいております。点検で何か異常が見られましたら、早急にご対応させていただきます。
コーキング工事はもちろんのこと、塗装工事以外の諸工事も喜んで承っています。
塗装やお家のことならタクトにお任せください。
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