外壁塗装に使われる無機塗料の特徴と有機塗料との違い
2022.08.26
無機塗料は耐久性と耐用年数が高く、とても優れている塗料です。
現在の住宅塗装において一般的に使用されている塗料は有機塗料になりますが、無機塗料も高い耐候性から近年注目を浴びてきている塗料だといえます。
今回はそんな無機塗料についてどのような塗料であるのか、特徴やメリット・デメリットなどをご紹介していきたいと思います。
目次
1章目:無機塗料とはどんな塗料?
無機塗料は石やレンガ、ガラスなどの無機物(炭素を含まない物質)が配合されている塗料のことです。
無機物は紫外線で劣化しないため、無機物質そのものは半永久的な耐久性を持っています。建物のガラスが年月が経っても劣化しないのはこのためです。
無機物100%の塗料を作ることができれば半永久的な耐久性を持つ塗料で塗装をすることができますが、実際には無機物100%では固くて塗料として使用することはできません。
無機塗料は無機物の耐久性を生かしながら、有機物を混ぜて作った塗料になります。
しかしそんな無機塗料ですが、無機物質が何%以上含まれていないといけないといった定義はありません。
少しでも無機物が含まれていればそれは無機塗料とされるのです。
そのため中には質の良くなかったり、効果の実証が無いような塗料を高額で勧めてくる悪徳な業者もいます。
無機塗料を選ぶ際には十分な注意が必要です。
2章目:無機塗料と有機塗料の違いは?
無機塗料は無機物が含まれている塗料のことですが、有機塗料は石油等の有機物(炭素を含む物質)を主成分とする樹脂から作られています。塗料に含まれている樹脂の種類によってグレードや性能が決まっています。
樹脂にはアクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などがありますが、有機物を含んだ樹脂が紫外線によって分解されることで変色や色褪せなどが発生します。
無機塗料は劣化の原因となる樹脂がほとんど含まれていないため、有機塗料よりも高い耐久性や色持ちのある高性能な塗料ということです。
3章目:無機塗料のメリットとは?
ここでは無機塗料のメリットについてご紹介します。
1.高い耐候性
無機塗料は紫外線によって劣化する樹脂がほとんど含まれていないので、紫外線や雨などの影響を受けにくく外壁の表面を長期間保護することができます。
1回の外壁塗装にかかる費用は有機塗料を使用した場合よりも高くなってしまいますが、20〜25年ほどの耐用年数があるため、長期的に見るとオススメの塗料です。
2.藻や苔が発生しにくい
無機塗料には藻や苔の栄養分である有機物質の含有量が少ないため、藻や苔が発生しにくくなります。
3.高い防汚性と低汚染性
無機塗料には親水性という水と馴染みやすい性質があるため、汚れが塗膜表面に付着したとしても、雨が降った際に汚れと塗膜の間に雨水が流れ込み雨水と一緒に汚れを流してくれます。
さらに無機物が配合された無機塗料は有機塗料と比べて静電気が起きにくい性質があるため、汚れや埃なども付着しづらいといった性質もあります。
汚れが付着した外壁は水捌けが悪くなり、藻や苔の発生の原因にもなります。
4.不燃性がある
無機塗料は石やガラスなどの無機物を主成分としているため、燃えにくい性質があります。
しかし100%無機物ではなく有機樹脂も含まれているため完全に燃えないというわけではありません。
4章目:無機塗料のデメリットとは?
無機塗料にはデメリットもあります。
無機塗料を検討する際はメリットだけでなくデメリットもしっかり把握しておきましょう。
1.価格が高い
無機塗料は耐久性を高めるために無機物が配合されているため、価格が高くなってしまうといったデメリットがあります。
しかし耐用年数は高いので、長期的なコスパは良いと言えます。今後、外壁塗装工事の回数を減らしたい方にはオススメです。
2.ひび割れしやすい
無機塗料の塗膜はひび割れが起きやすい傾向にあります。
無機物が主成分のため固い塗膜になってしまい、外壁にひび割れが発生した際に塗膜も一緒にヒビ割れを起こしてしまう可能性があります。
弾力性を持たせた無機塗料もあるので、ヒビが発生しやすい外壁にはそのような塗料を使用するのが良いでしょう。
3.再塗装が難しい場合がある
無機塗料は汚れが付着しづらいといった性質があります。
そのため、再塗装をする際に無機塗料の塗膜に新しい塗料が密着しにくく早期に塗膜が剥がれてしまうことがあります。
4.艶を消せない
塗料には艶ありのものと艶消しのものが存在しますが、無機塗料は艶ありのもののみになります。
大手の塗料メーカーからは艶を完全に消した無機塗料は開発されておらず、調整を行って5〜3分艶まで消すことができるようです。
艶を調整すると塗りムラなどが発生しやすくなってしまうので、せっかくの無機塗料であれば艶はできれば調整しないようにしたほうが良いでしょう。
5.職人の技術が求められる
無機塗料の高い耐久性を十分に発揮するには、塗装を施工する職人の高い技術が必要です。
無機塗料の塗膜は固くなるため取り扱いが難しく、きちんとした手順で一定の厚みで塗装する必要があります。
高価な塗料であるため、施工を依頼する際はしっかりとした経験と技術のある業者へ依頼するようにしましょう。
5章目:無機塗料を使うかの判断は専門家に任せるべき?
無機塗料の特徴やメリット・デメリットが少しづつお分かりいただけたと思います。
しかし無機塗料を実際に使用して塗装を行うかの判断は、しっかりと専門家と相談しながら決めるようにしましょう。
ここでは無機塗料での塗装に向いているお家の特徴をご紹介します。これを参考に専門家と相談しながら塗料選びを行うようにしましょう。
1.綺麗な外観を長く持たせたい方
セルフクリーニングの性能を持っている無機塗料で外壁を塗装すれば、外壁の美観性を長く維持させることができます。無機塗料は外壁の掃除頻度を減らすことができ、綺麗な外観を維持することができます。
2.藻や苔が発生しやすい地域にお家がある方
無機塗料は藻や苔が発生しにくい効果があるため、湿度が高い地域や水辺の近くにお住まいの方にはおすすめの塗料です。
藻や苔の発生は外壁の美観性を損なってしまうので、無機塗料で塗装して藻や苔の発生を防ぎましょう。
しかし無機塗料で塗装をしたからといって完全に藻や苔の発生が無くなるわけでなないため、定期的な点検は怠らないようにしましょう。
3.塗装費用が高くなっても気にしない方
無機塗料の塗装費用は他の塗料での塗装に比べると割高になってしまいますので、予算に余裕のある方にはおすすめの塗料です。塗装費用は高くなりますが、その後のメンテナンスや掃除等の費用を抑えることができる場合もあります。
また、高い耐候性があり、外壁の美観性を長く維持することができるため、長期的に見るとお得な塗料と言えます。
6章目:無機塗料で外壁塗装した場合の費用相場は?
他の塗料と比較した単価の相場は以下になります。
無機塗料は一般的なシリコン塗料と比べて単価が2倍ほど高く、フッ素塗料よりも高い単価となっています。
しかしその分耐用年数も20〜25年ほどで、他の塗料と比べても長い耐用年数があります。
無機塗料は総合的に見ればお得な塗料だと言えるでしょう。
7章目:無機塗料の種類と代表的な塗料
一口に無機塗料と言っても様々なタイプのものがあります。
やはり大手メーカーの塗料であれば安心して選ぶことができます。さらに大手メーカーの塗料ではクチコミやレビューなどの情報を参考にすることもできます。
以下がおすすめの無機塗料です。参考にしてみてください。
1.ダイヤスーパーセランフレックス(ダイフレックス)
柔軟性に優れており、コーキング上に施工した場合のヒビ割れリスクを軽減します。
高い親水性があるため汚染物質が付着しづらく、雨水で汚れを落とす特性があります。さらに高い透湿性があり、カビや藻の発生を抑制します。
2.パーフェクトセラミックトップG(日本ペイント)
ラジカル制御技術にセラミックハイブリッド技術を融合し、フッ素塗料を越える耐候性があります。美しい艶のある塗膜は親水性により付着した汚れを洗い流し、美観性を維持することができます。
他にも超低汚染性・難燃性・防藻、防カビ機能・透湿を兼ね備えている無機塗料です。
3.アレスダイナミックMUKI(関西ペイント)
大手メーカー関西ペイントのハイブリッドテクノロジーにより、無機と有機の特性を最大限に発揮させ、超長期耐久性と多彩な機能が住宅を過酷な環境から長期間守ります。
無機の強靭さと有機の柔軟性、さらにハイブリッドテクノロジーとラジカル制御技術の高耐候性とダイナミックレジン結合技術の優れた付着力で塗膜の耐久性を最大限へ導くことができます。
この他にも無機塗料には様々な種類のものがあるので、どのタイプの無機塗料を使用して塗装を行うのかは業者と相談、確認しながら決めるようにしましょう。
8章目:まとめ
いかがでしょうか。今回の記事では無機塗料の特徴やメリット・デメリットなどについてご紹介しました。
無機塗料は他の塗料と比べると費用は割高ですが高い耐候性や低汚染性、防藻・防カビ性があります。メ
リットはたくさんありますがデメリットもしっかりと考え、自分のお家に適しているか見極めるようにしましょう。もちろん一人での判断ではなく依頼する業者と一緒に相談しながら塗装工事を進めていきましょう。
株式会社タクトでは一般的な塗料の他にも高性能な無機塗料も取り扱っており、講習会や実技講習などにも参加をしています。塗装の知識だけでなく、技術や経験のある職人が塗装をすることが大切です。
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