外壁塗装の下地処理の重要性!その役割から施工方法までプロが解説
2022.10.26
そろそろお家の塗装工事を行う時期かなと検討中の方。せっかくの塗装工事なので仕上がりの良い塗装工事をしたいと考えるはずです。
塗装工事の中で要となるのが「下地処理」です。
この下地処理がしっかりできていないと、どんなに品質の良い塗料を使ったとしても本来の塗料の性能を十分に発揮させることができずに、早期に劣化が起こる原因になります。
つまり塗装工事の出来上がりの質は下地補修の質によって左右されるということです。
今回の記事ではこの下地処理についての重要性と役割や施工方法まで詳しく解説していきます。
目次
1章目:外壁塗装の下地処理が重要な理由とは?
外壁塗装にとって要となるのが下地処理です。
下地処理は塗装面の補修や塗装の耐久性を高めるために行います。
住宅は経年劣化により旧塗膜に様々な劣化症状が起きています。こういった劣化を放置したまま上から再塗装を行っても綺麗な仕上がりにはならずに、すぐに塗膜の剥がれや膨れといったトラブルが起きてしまうこともあります。
塗料がしっかりと密着することで耐久力がアップし、見た目も綺麗に仕上がるように、塗装前の準備として下地処理を行う必要があります。
1.下地処理の役割
塗装工事の要となる下地処理ですが、具体的にどのような点で下地処理が重要であるのか。
ここではより詳しく、下地処理の主な役割についてをご紹介します。
1-1.塗装の耐久性をあげる
外壁の表面は経年劣化により頑固な汚れや藻・苔などがこびりついてしまいます。
このような状態でその上から再塗装を行っても汚れが原因となりしっかり密着することができません。
だからこそ高圧洗浄やケレンなどの下地処理で塗装面の汚れをしっかりと取り除くことで、塗料の密着性と耐久性をアップさせることが大切です。
丁寧な下地処理を行うことで塗膜の剥がれや膨れなどの劣化の予防に繋がります。
1-2.外観を綺麗に保つ
外壁は経年劣化によりひび割れが生じやすく、ヒビが大きかったり多くの箇所に発生しているとお家全体の外観を損ねてしまいます。
そのため、下地処理でひび割れをしっかり補修することで、外観を綺麗に修復する事ができます。
また、ひび割れ補修で表面の凹凸が修復され、塗装を行った際にムラが生じにくくなるため、より綺麗な仕上がりになります。
1-3.雨漏りを防止する
小さなひび割れでもそこから雨水が内部に侵入することで藻や苔が発生したり、構造の強度を低下させてしまいます。
さらにひび割れの症状が進んでしまっていると雨漏りトラブルの原因にもなります。下地処理でひび割れ補修を行えば雨漏りを効果的に予防することができます。
2.下地処理が不十分な場合
数多くの塗装業者の中にはバレないだろうと下地処理を手抜きで行う悪徳業者も存在します。もしも下地処理が不十分であった場合、どのようなトラブルが生じるのか。
以下では不十分な下地処理が招くトラブルについてご紹介していきます。
2-1.ひび割れしやすくなる
時間が経つにつれて外壁には大小のひび割れが生じてしまいます。
下地処理でのひび割れ補修を怠った場合、ひび割れに沿って塗装が引っ張られ塗膜が裂けてしまいます。
塗膜が裂けてしまうと外壁材が雨風や紫外線の影響を直接受けてしまうことになり、耐久性や強度の低下や雨漏りが発生してしまう恐れもあります。
こういった不具合が生じてしまえば、またお金と時間をかけて塗装工事をやり直さなければなりません。
2-2.塗膜が剥がれやすくなる
下地処理を怠ると、塗装面に汚れや藻・苔などが付着している上から塗装を行うことになる為、塗料がしっかりと密着する事ができません。
汚れが塗膜と塗装面の間に入り剥がれや膨れの原因になります。
せっかく塗装工事を行っても短期間で塗膜が剥がれてボロボロになってしまう可能性もあります。
2-3.防水性が低下する
適切な下地処理をしていないまま塗装を行うと、ひび割れや塗膜の剥がれ・汚れが付着したままその上に塗膜を重ねることになります。
新しい塗膜がしっかりと形成されなくなるため、塗料本来の防水性が発揮できなくなってしまいます。
また、補修されなかったひび割れから雨水が侵入し雨漏りが発生してしまうリスクもあります。
2-4.見栄えが悪くなる
劣化した塗装面の補修を行わないまま塗装を行うと、表面の凹凸が目立ったり、色ムラが生じたり、ひび割れや塗膜の剥がれが発生してしまうなど、見栄えが悪くなってしまいます。
2章目:下地処理の方法と流れ
ここまでは下地処理の重要性と役割をご紹介してきました。
具体的にどのような下地処理が行われるのかをご紹介します。
1.高圧洗浄
塗装前の高圧洗浄は必要不可欠です。
外壁の塗装面には長年の汚れや藻や苔などが付着していて、これらをしっかりと除去せずに塗装を行うと、塗膜がしっかり密着せずにすぐに剥がれたり膨れたりしてしまいます。
こういったトラブルを防ぐためには、高圧洗浄により塗装面に付着している汚れや旧塗膜をしっかり取り除くことが必要になります。
高圧洗浄を行うことで塗膜がしっかりと密着する事ができ、塗膜の耐久性と美観性をアップさせる事ができます。
高圧洗浄の際の水圧は非常に強いため、使用方法を間違えると破損や怪我等のリスクがあるので取り扱いには注意が必要です。
さらにインターホンや防犯カメラなどが破壊してしまうこともあるので周りの状況をよく観察し水圧を調整しながら高圧洗浄を行う必要があります。
高圧洗浄は半日から1日以内で完了しますが、その際にも注意しなければならないのが洗浄後しっかりと乾燥させる事です。
高圧洗浄後の外壁は水分を多く含んでいるため、そのまま塗装をしてしまうと塗料の滲みやヨレの発生に繋がります。高圧洗浄後はしっかりと乾燥時間を設ける必要があります。
2.ひび割れ補修
ひび割れは最初は小さいものであったとしても時間が経つにつれて段々と大きくなり、そのまま放置を続けると雨漏りが発生してしまうこともあります。
雨漏りはお家の内部に雨水が浸み込んでお家そのものの強度の低下にまで繋がることもあるので注意が必要です。
ひび割れにはヘアークラックととの2種類があります。
ヘアークラック:ヘアークラックとは髪の毛のように細く小さなひび割れのことを意味します。塗膜の表面だけに現れる劣化症状であるため、雨漏り等のトラブルに直結はしないので早急な補修が必要というわけではありません。
幅が0.3ミリで深さが4ミリ以下であればヘアークラックと判断できます。ヘアークラックは下地処理を行えは問題なく補修することができます。
構造クラック:下地まで大きくひび割れてしまっている状態を構造クラックと呼びます。構造クラックの場合は早急に補修が必要です。
構造クラックが生じるのはお家の構造の強度や耐震性が低下してしまっている恐れがあります。補修せずに放置していると穴が開いてしまったり、軽度の地震でもお家が倒壊してしまう危険もあります。
一般的には幅が0.3ミリ、深さが0.5ミリ以上であれば構造クラックと判断されることが多いため、ひび割れを見つけた際は注意して見てみましょう。
3.ケレン作業
ケレン作業は古い塗膜やサビなどを取り除く作業です。
古い塗膜やサビを落とさずに塗装を行うと塗膜がしっかりと密着せず、すぐに塗膜の剥がれや膨れが起きてしまう可能性があります。ケレン作業で塗膜の密着の妨げになるものを全て除去する必要があります。一般的には研磨用のヤスリやスポンジ、電動ブラシなどを使用して作業します。
高圧洗浄もケレン作業の役割を果たしてくれますが、木部などでは水が腐食や劣化の原因となるためペーパーなどでケレン作業を行います。
汚れや古い塗膜を落とした後、ヤスリなどで塗装面に細かな傷をつけます。塗装面がツルツルの状態よりも、ある程度塗装面が凸凹していた方が塗料がしっかりと密着して剥がれにくくなります。
鉄部をケレンする際もペーパーなどでサビを落とします。サビが残った状態で塗装をしても再びサビが発生してしまうので、丁寧にケレン作業を行う必要があります。
3章目:外壁塗装前におこなう下地処理の種類とは?
下地処理と言っても素材や劣化症状等によって様々な方法があります。
次に素材や補修箇所ごとの下地処理についてご紹介します。
1.サイディングの下地処理
サイディング外壁はコスパが良く、耐久性や耐火性にも優れている外壁です。
しかし主成分であるセメントは吸水性が高いため、サイディングが反りやすいというデメリットがあります。
サイディング外壁は水分が中に入らないようにする事が大切です。そのためにはひび割れやコーキングの劣化を塗装前にしっかりと補修し防水を高めることがポイントとなります。
◆サイディング外壁のひび割れ補修
①ひび割れ箇所を清掃
まずはひび割れ箇所の汚れやゴミを刷毛などを用いて綺麗にします。
②プライマー塗布
コーキング材と下地の密着を高めるためにプライマーを塗布します。
③コーキングを充填
コーキングを充填しひび割れを埋めます。
④ヘラ押さえ
コーキングを充填したあとヘラを用いて平らに形成し、しっかりと防水にさせます。
⑤表面を埋める
モルタルなどで表面を埋め、平らにした後、塗装によって保護します。
◆サイディング外壁のコーキング補修
コーキング補修には増し打ちと撤去打ち替えがあります。
○コーキング増し打ち
①養生
養生作業はコーキングのはみ出しを防ぎコーキングを充填する際のガイドとなるものなのでとても重要な作業です。
②プライマー塗布
コーキングの密着を向上させるためにプライマーをしっかりと塗布します。
③コーキングを充填
コーキングを充填します。
④ヘラ押さえ
ヘラで内部に隙間がないようにコーキングをならし、平らにしていきます。
○コーキング撤去打ち替え
①コーキング撤去
カッターなどを使用し既存のコーキングを撤去していきます。
目地に残った汚れやゴミなどは刷毛などを用いて綺麗にします。
②プライマー塗布
コーキングの密着を向上させるためにプライマーをしっかりと塗布します。
③コーキングを充填
コーキングを充填します。
④ヘラ押さえ
ヘラで内部に隙間がないようにコーキングをならし、平らにしていきます。
2.モルタルの下地処理
モルタル外壁はセメントと砂と水を混ぜて作る外壁です。
職人が手作業で施工していくため、自分の好みに合わせたデザインや仕上がりにする事ができます。
◆モルタル外壁のひび割れ補修
①ひび割れVカット
既存のひび割れを専用の機材でV字にカットしていきます。V字にカットすることでひびの中を均等にし、コーキング材がしっかりと行き渡るようにします。
②プライマー塗布
Vカット後のホコリ等を清掃した後、コーキングの密着を向上させるためにプライマーをしっかりと塗布します。
③コーキングを充填
コーキングを充填します。
モルタル外壁よりやや低く充填します。
④ヘラ押さえ
ヘラで内部に隙間がないようにコーキングをならし、平らにしていきます。
⑤肌ならし
既存のモルタルの模様と馴染ませるために肌ならしを行い、その上から塗装をします。
3.鉄部の下地処理
お家の中には雨戸や門扉、手すり、ポスト、金属製の階段など、鉄でできた部分が多くあります。鉄部は普通は塗装がされていますが塗膜が剥がれ鉄部が空気に触れることで酸化しサビが発生します。
①旧塗膜の除去
剥がれてしまっている旧塗膜をケレン道具を使用して除去します。
②サビの除去
サンドペーパーやワイヤーブラシを使用してサビを除去します。
4.木部の下地処理
ウッドデッキや濡れ縁など、木が使用されている箇所も塗装がされています。
木部に使用する塗料には木材に浸透させて水の吸収を防止する浸透タイプと木部表面に塗膜を作る造膜タイプのものがあります。
①藻や苔を落とす
高圧洗浄やケレン等で木部表面の藻や苔を落とします。
高圧洗浄をする場合は木部を傷つけないように注意します。また、木部が湿ったまま塗装を行うと塗膜の剥がれの原因になるため、しっかりと乾燥させます。
②木部表面をケレン
造膜タイプの塗膜が残ってしまっていると塗膜が密着しづらいため、ケレンによりしっかりと落とします。
ケレンを行うことで木部と塗膜の密着がよくなるので、浸透タイプの塗料の場合もケレンをするのがおすすめです。
4章目:外壁塗装の下地処理を専門業者に依頼するメリットとは?
ここまでで下地処理の重要性がお分かりいただけたと思います。
外壁塗装を行う前の下地処理は塗装工事の仕上がりを左右するとても大切な作業です。
目立った損傷や汚れがあれば下地処理だけでなく塗装工事も必要になるため、専門業者へ相談してみましょう。
専門的な知識や技術がなければしっかりとした下地処理はできません。せっかくの塗装工事もすぐに劣化してしまい、また再塗装が必要になってしまう可能性もあります。優良な塗装業者であれば下地処理から丁寧な作業をしてくれるため、満足のいく仕上がりになるはずです。
塗装を依頼する際は必ず下地処理について確認しておくようにしましょう。
5章目:外壁塗装の下地処理で失敗しない業者の選び方とは?
下地処理は塗装工事の要となる作業です。下地処理がしっかりとされていないと、どんなに良い塗料を使用しても効果を発揮することができません。
しかしいくら下地処理が大切ということが分かっていても、実際に依頼した業者にしっかりと下地処理をしてもらえなければ意味がありませんよね。
ここでは下地処理で失敗しないための業者の選び方をご紹介します。
1.適正な診断を行う業者
まず初めに重要なことが、しっかりと建物診断を行ってくれる業者であるかどうかです。
下地処理の方法は劣化症状に合わせて様々なため、診断を行う業者にしっかりとした知識があるかが重要になります。
業者が専門の資格を持っていて調査に時間をかけてくれ、診断の報告が分かりやすい業者を選ぶようにしましょう。
2.工事の保証がある業者
しっかりと下地処理をしてから塗装を行ったとしても、不具合が発生する確率はゼロではありません。
様々な要因で不具合は起こりますが、万が一早期に不具合が生じてしまった場合、優良な業者であればしっかりと対応をしてくれるでしょう。
工事を依頼する前に保証制度を確認しておくようにしましょう。保証と合わせてアフターフォローについても確認しておくようにしましょう。
6章目:まとめ
いかがでしょうか。今回の記事では塗装工事の要となる下地処理についてご紹介しました。
塗装の耐久性を高くし、美しい外観を長く維持するためには下地処理は必要不可欠です。せっかく塗装工事を行うのであれば失敗しないように、信頼できる業者を探すようにしましょう。
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