外壁塗装の透湿性塗料とは?透湿性メリット・デメリットについて解説
2023.06.16
近年、外壁塗装の塗料には透湿性に優れているものがあります。
透湿性とは湿気を通すことです。
湿気を通すと聞くと、雨水なども通して塗膜の下に浸透してしまうと心配になる方もいるのではないでしょうか。
今回はそんな透湿性塗料とはどんな塗料でどんなメリットなどがあるのかをご紹介していきます。
目次
1章目:透湿性塗料とは何か
透湿性塗料とは壁内部の湿気を逃しやすくする塗料です。
液体と気体(湿気)の分子の大きさの違いを利用することで、雨は通さずに湿気だけを通すといった性質があります。
透湿性の低い塗料で塗装を行った場合、湿気の逃げ道がなくなってしまうため塗膜の膨れや浮きが起きてしまう可能性があります。
しかし透湿性塗料を使用すれば塗装後も壁内部に湿気を逃しやすいので、湿気が原因で起こる塗膜の膨れや浮きを予防することができます。
2章目:透湿性塗料のメリットとデメリット
ここでは透湿性塗料のメリットとデメリットについて分かりやすくご紹介していきます。
⚪︎メリット
・塗膜の膨れや浮きが発生しにくくなる
塗膜の内側に入り込んでしまった空気や水分が、外壁温度の上昇により蒸発して塗膜を押し上げ、塗膜の膨れや浮きが発生してしまいます。
透湿性塗料は塗膜の内側に溜まった湿気を徐々に逃す働きがあるため、塗膜の膨れや浮きを予防することができます。
・構造体の結露や腐食を防ぐ
透湿性の高い塗料は建物内部の結露を防止する効果が期待できます。
結果的に建物の構造体の腐食やシックハウス症候群を防ぐこともできます。
⚪︎デメリット
・透湿性の機能には限界がある
透湿性の機能がある塗料でも全ての湿気を通すことができるわけではありません。
理想は内部の湿気を逃して雨水の侵入を防ぐことですが、透湿性の機能にも限界はあります。
そのため、透湿性塗料でお家全体を塗装したからといって、必ず結露が発生しなくなるというわけでは無いので注意しましょう。
3章目:親水性塗料とは何か
透湿性塗料と似たような塗料に親水性塗料があります。
親水とは水に馴染みやすい性質のことです。
親水性塗料は透湿性塗料のように湿気を逃すのではなく、水と馴染む性質があります。
外壁に親水性の高い塗料を塗ることで外壁に付着した雨水は水滴にならずに薄く広がり流れ落ちていき、外壁に付着した汚れを洗い流すことができます。
これはセルフクリーニング機能と呼ばれています。
ちなみに、水と馴染みがいいからと言って雨水を吸い込んでしまうことは無いのでご安心ください。
4章目:クリーンマイルドシリコンの透湿性について
透湿性塗料の代表商品の中にクリーンマイルドシリコンというものがあります。
ここではクリーンマイルドシリコンについてご紹介していきます。
1.クリーンマイルドシリコンとは
クリーンマイルドシリコンはエスケー化研独自のセラミック複合技術によって耐候形1種相当の性能を実現した超低汚染超耐久弱溶剤樹脂塗料になります。
弱溶剤タイプのため臭いも少なく、下地を選ばずに幅広い下地適用力があります。
コンクリートやモルタル、サイディングやALCなど幅広い外壁材に適用することが出来ます。
2.クリーンマイルドシリコンの種類
クリーンマイルドシリコンのラインナップは下記の4シリーズあります。
・クリーンマイルドシリコン
一般硬質タイプ
・弾性クリーンマイルドシリコン
弾性タイプ
・クリーンマイルドシリコンCR
建築用耐候性上塗り塗料(JIS K5658認証取得)
公共建築工事標準仕様書
公共建築改修工事標準仕様書DP仕様対応
・クリーンマイルドシリコンST
鋼構造物用耐候性塗料(JIS K5659認証取得)
公共建築工事標準仕様書
公共建築改修工事標準仕様書DP仕様対応
3.クリーンマイルドシリコンの特徴
・超低汚染性
セラミック複合の特殊技術により従来にない超低汚染を実現。
・超耐久性
対抗型1種相当を実現する高性能を示す。
(耐候性1種JISA6909の耐候性B法に基づいてエスケー化研にて実施した試験による)
・防かび、防藻性
特殊設計により微生物汚染等を防ぎます。
・透湿性
透湿性のある塗膜は内部結露の防止に役立ちます。
・幅広い下地適用性
弱溶剤で構成されているため、旧塗膜の種類を問わず優れた密着性を示す。
・環境に優しい
溶剤系塗料に比べて臭いも少なく、作業環境の改善に役立ちます。
5章目:透湿性塗料で外壁塗装をする際に知っておきたいこと
外壁塗装で使用する塗料は建物の構造や外壁材に合わせて選ぶことが大切です。
ここでは透湿性塗料が適している外壁材についてご紹介します。
1.サイディング外壁
サイディング外壁には直張りサイディングと通気工法サイディングとがあります。
直張りサイディングの場合、内部に通気層が設けられていないので透湿性の低い塗料で塗装し塗膜で壁面を塞いでしまうと、湿気の逃げ場がなくなってしまい塗膜の膨れや浮きの原因になります。
直張りサイディングの場合は透湿性の高い塗料を使用して塗装を行うことが大切です。
2.モルタル外壁
モルタル外壁はほとんどが直張り仕上げになっています。
構造用合板の上に防水シート、ラス網、モルタル、吹き付け材で仕上げられているため通気する空間がありません。
そのため透湿性の低い塗膜で塞いでしまうと。湿気の逃げ道がなくなり塗膜の膨れや浮きの原因になってしまいます。
また、モルタルは水分を含みやすいため、劣化などで雨水が入り込んで吸収したまま塗装を行うと塗膜の膨れが出てきやすくなります。
劣化したモルタルを塗装する場合は透湿性の高い塗料を使用するのがおすすめです。
6章:まとめ
いかがでしょうか。
外壁塗装の目的の一つに雨水の侵入を防ぐ防水の目的がありますが、塗料を塗り塗膜を形成することで内部の湿気が外に逃げられなくなってしまうこともあります。
その結果、湿気が蒸発し塗膜を内側から押し出すことで、塗膜の膨れや浮きの原因になり塗膜が剥がれてしまいます。
また、湿気がこもることで結露やカビが発生し、構造体の劣化やシックハウス症候群の原因にもなる可能性もあります。
こういったリスクを避ける上で、透湿性の高い塗料を使用して塗装することが大切です。
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