屋根塗装の耐久年数や寿命は?耐久性の高い塗料を選ぶポイント
2023.01.08
屋根は普段上がることがないため、定期的に点検やメンテナンスを行う必要があります。
メンテナンスの中でも屋根塗装を定期的に行うことで屋根の耐用年数をあげることができます。
いざ塗装をすると決めてから、どんな塗料を使用するか迷う方も多いかと思います。塗料はたくさんの種類があり、塗料によってさまざまな性能や特徴があります。
塗料を選ぶときはほとんどの方が費用について考えると思います。耐久性の高い塗料はその分初期費用は高くなりますが、長い目でみると安い塗料で何回も塗装を行うよりはお得に塗り替えを行うことができます。
今回の記事では屋根塗装に関して耐久性や寿命、また塗料選びのポイントをご紹介していきます。
1章目:屋根塗装の耐久年数は?
1-1.屋根塗装の耐用年数について
屋根塗装の耐久年数は約10〜15年と言われています。
しかし、屋根は雨風や紫外線にさらされる時間が外壁に比べると長いため、外壁よりも1.5倍早く劣化すると言われています。
屋根の状態を自分で確認することは難しいため、いつの間にか劣化が進んで雨漏りが発生してしまったということもあります。
屋根を綺麗に保つためには築年数が何年なのか、前回の塗り替えから何年が経過したのかをしっかりと把握しておくことが大切です。
1-2.屋根材の種類について
塗料を選ぶ際はお家の屋根材が何であるのかもしっかりと確認する必要があります。
屋根材によって適正な塗料や塗料の必要量も違ってきます。次によく使用されている屋根材と塗装の注意点についてご紹介します。
1.スレート屋根
スレート屋根には粘板岩を使用して作られた天然スレートやセメントを主成分とした化粧スレートがあります。天然スレートは耐久性が高く色褪せないという性能がありますが、価格がとても高く重量もあるので、現在の住宅の屋根としてはほとんど使われていません。
一般的に住宅に使用されるのは化粧スレート屋根になります。
化粧スレート屋根の耐用年数は20~25年で、塗り替え目安は5~10年です。
そんな化粧スレート屋根ですが、形状や厚さにより4つの種類に分けることができます。
①平型スレート
平型スレートは現在の一般住宅に多く使用されている屋根材で、コロニアルやカラーベストなどが含まれます。
安価であり施工性にも優れているため、多くの住宅に使用されています。しかし汚れが付着しやすく、割れやすい傾向があるため定期的なメンテナンスが必要になります。
苔や藻の付着、ヒビなどが見られたら早めに塗装業者へ相談しましょう。
②厚型スレート
セメントと砂を混ぜて、厚みを持たせ瓦のような形状にしたものを厚型スレートと言います。セメント瓦などがこれに含まれます。
さらにセメント瓦屋根の中にもヨーロッパ発祥のモニエル瓦という屋根材があります。モニエル瓦は近年、洋風の住宅に多く使用されている瓦屋根です。
モニエル瓦は表面にセメントの粉が薄く吹き付けてあるスラリー層という層がありますが、劣化したスラリー層の上から塗装をすると塗膜の密着の妨げになるため、塗装する前になるべく劣化したスラリー層は取り除く必要があります。
厚型スレート屋根は塗膜が剥がれてしまうとセメントの主成分であるカルシウムが流れてしまい、ヒビや割れの原因になります。
色褪せや塗膜の剥がれが見られた場合は塗装の検討をしましょう。
③波型スレート
波型の形状をした化粧スレートで、主に工場などの鉄骨造の屋根に使用されています。波型スレートの下には野地板のような下地材はなく、長い波型スレートを屋根の傾きに沿って貼っていきます。
苔や藻の付着、色褪せ等が見られたら塗り替えを検討しましょう。
④石綿スレート
石綿とはアスベストのことです。約20年前まではスレート屋根の耐久性を高めるために、発がん成分であるアスベストが使用されていました。しかし粉塵が呼吸器障害を起こすため公害であるとされ、2004年からは製造・使用が中止されています。
スレート屋根は劣化すると表面が脆くなる性質があるので、石綿スレート屋根の劣化を放置すると風でアスベストが飛散してしまう恐れがあります。
さらに塗装する際にも注意が必要で、塗装する前に必ず行う高圧洗浄で屋根材の表面を削ってしまい、空気中にアスベストが飛散してしまう危険性があります。
塗装以外の工事としてはしっかりとアスベスト除去作業を行った後に屋根材を撤去して新しい屋根材を葺く「葺き替え工事」や既存の屋根の上に新しい屋根材を葺く「カバー工法工事」などが挙げられます。
2.金属屋根
金属屋根は屋根材の中で最も軽量であるため、施工しやすく耐震性にも優れています。しかし断熱性はあまり無く、劣化が進むとサビが発生してしまうリスクもあります。
耐用年数は種類にもよりますが、大体10~30年と幅広く、塗り替え目安は5~10年と言われています。定期的にメンテナンスをすることにより、長持ちさせることができます。
そんな金属屋根の中にもトタン屋根やガルバニウム屋根など、種類があります。
①トタン屋根
トタン屋根は軽量で安価ですが、サビが発生しやすく雨漏りが起きやすいという問題があるため、住宅ではあまり使用されていません。
さらにトタン屋根は耐用年数が10年ほどと短くサビが発生しやすいため、サビ止めの塗布などの定期的なメンテナンスを行わなければなりません。
サビが出てきてしまうとサビはあっという間に広がってしまうので、定期点検も必要になります。
②ガルバリウム屋根
ガルバリウム屋根は軽量で扱いやすいため、現在の金属屋根の主流になっている屋根材です。スレート屋根の重ね吹き工事にも使用されている屋根材になります。
金属屋根の中でもサビにくいため、定期的にメンテナンスを行い表面を保護すれば、耐久性を維持することができます。10年を目安に塗り替えを行いましょう。
3.日本瓦
日本瓦は他の屋根材よりも強度があり、耐久性が長い屋根材になります。
耐用年数は50~100年ほどと言われていて、基本的に塗り替え等のメンテナンスは不要と言われています。
ただ瓦の下の防水シートや漆喰等は瓦よりも劣化するのが早いため、定期的に点検をして劣化が見られた場合は補修が必要になります。
2章目:【種類別】塗料の耐用年数と単価相場
塗料は原料の樹脂の種類によって特徴や性能、効果や耐用年数などが異なります。
ここでは住宅塗装で主に使用されている塗料についてご紹介します。
ぜひ屋根塗装の際の塗料選びのポイントにしてみてください。
1.アクリル樹脂系塗料
【特徴】
アクリル樹脂を主成分とする塗料です。
以前は発色の良い塗料として人気を集めていましたがウレタン樹脂塗料やシリコン樹脂塗料などの性能の良い塗料が開発され、現在はあまり普及していません。
しかし安価で購入でき、カラーシミュレーションも豊富で扱いやすいことからDIYとしては人気のある塗料です。
【メリット】
・費用が安い
・カラーバリエーションが豊富
・扱いやすい
【デメリット】
・紫外線に弱く劣化が早い
・塗膜が硬くひび割れやすい
・塗り替えサイクルが短い
【耐用年数】
約3〜5年
2.ウレタン樹脂系塗料
【特徴】
ウレタン塗料はウレタン系樹脂を主成分として作られている塗料です。
ウレタン塗料にはそのまま塗装ができる1液型と塗装前に硬化剤を混ぜる必要のある2液型があります。2液型は耐久性が高く様々な材質のものに使用できるため、住宅の外壁や屋内の建具や家具等に使用することもできます。
【メリット】
・高級感のある塗膜になる
・弾力性がある
・メンテナンスしやすい
【デメリット】
・耐候性により劣化しやすい
・汚れが付着しやすい
【耐用年数】
約5〜7年
3.シリコン樹脂系塗料
【特徴】
シリコン樹脂系塗料は主成分である合成樹脂がシリコン樹脂でできた塗料のことです。
シリコン樹脂はケイ素を核としたシロキサン結合を持つ無機化合物であり非常に性質が安定しています。
【メリット】
・耐久性が高い
・ツヤや光沢があり汚れが付きにくい
・商品の種類が豊富
【デメリット】
・アクリル、ウレタン塗料よりも価格が高い
・ひび割れしやすい
【耐用年数】
約7〜10年
4.フッ素樹脂系塗料
【特徴】
フッ素塗料は蛍石を原料としたフッ素樹脂を配合した塗料のことです。
高価ですが優れた耐久性や耐候性を持っているため、一般住宅だけでなく大型建造物の塗装にも使用されます。
一般住宅では紫外線の影響を受けやすい屋根を中心とし、外壁やシャッターなどにも使用されます。
【メリット】
・耐候性が高い
・長期間美観を保持できる
・汚れが付きにくい
【デメリット】
・コストが高い
・再塗装がやや難しい
・塗膜の弾力性は弱い
5.ラジカル系塗料
【特徴】
ラジカルとは紫外線や酸素、水などが塗料に含まれる顔料に触れることで発生する劣化因子のことです。ラジカル塗料はラジカルの発生を可能な限り抑え、長期間塗膜の劣化を防いでくれる塗料です。
ラジカルは塗料の主成分である樹脂の名前ではなく、あくまでシリコン塗料やフッ素塗料など従来の塗料に特殊な成分を配合してラジカル塗料となります。
【メリット】
・安価で高性能
・チョーキングが起きづらい
・汚れが付着しにくい
【デメリット】
・実績が少ない
【耐用年数】
塗料の主成分樹脂による
6.光触媒塗料
【特徴】
光触媒塗料は酸化チタンを原料として紫外線や光を浴びると塗膜の表面が汚れを分解し、親水性能により雨で汚れを洗い流すことができます。この性能をセルフクリーニング機能と言います。そのため塗膜が劣化しにくくなります。
【メリット】
・セルフクリーニング機能
・耐久性がとても高い
・周辺の空気を綺麗にする
【デメリット】
・施工が難しい
・選べる色が限定される
・ひび割れに弱い
・費用が高い
【耐用年数】
約10〜15年
7.無機塗料
【特徴】
一般的な塗料は有機塗料と呼ばれ、石油などの有機物を主成分とした樹脂を使用して作られています。一方、無機塗料は鉱物やガラス、レンガなどの無機物を配合して作られた塗料になります。無機物は紫外線で劣化しないため、半永久的な耐久性を持っています。
【メリット】
・耐候性が高い
・カビやコケが発生しづらい
・不燃性がある
【デメリット】
・価格が高い
・ひび割れしやすい
・再塗装できない場合がある
【耐用年数】
約10〜15年
8.遮熱塗料
【特徴】
遮熱塗料は太陽光を反射する効果のある塗料です。
遮熱塗料を塗った屋根は太陽光を反射するため、室内の温度上昇を抑制する効果が期待できます。
【メリット】
・室内の温度上昇を防ぐことができる
・省エネ効果が期待できる
・建材の熱損傷を防げる
【デメリット】
・コストが高い
・耐久性が極めて良いわけではない
・断熱効果はない
【耐用年数】
約8〜12年
9.断熱塗料
【特徴】
断熱塗料は熱伝導を抑える効果のある塗料です。
夏は外の暑さが室内に伝わりにくいため室内は涼しく、冬は室内の暖かさを外へ逃がしづらいため室内の暖かさを保つことができます。さらにエアコンの効きもよくなるため省エネ効果も期待できます。
【メリット】
・室内の温度を快適にする
・節電効果
・防音効果
・結露の発生を抑える
【デメリット】
・費用が高い
・効果を実感できない場合もある
【耐用年数】
約15〜20年
3章目:耐久年数過ぎで起こる屋根塗装の劣化の症状とは?
屋根は耐久年数を目安に定期的に塗装によるメンテナンスを行う必要があります。
メンテナンスを怠り、劣化したまま放置してしまうと塗装以外の工事も必要になってしまい、結果的にメンテナンス費用が高くなってしまうことになります。
これから説明する屋根の劣化についてをご覧になり、屋根の塗装メンテナンスのタイミングを逃さないようにしましょう。
1.色褪せ
屋根の色褪せがみられたら、劣化のサインになります。色褪せを放置してしまうと表面を保護している塗膜の効果が切れてしまい、さらに水弾きも悪くなってしまっています。
屋根に色褪せや艶が無くなってきたと感じたら、このタイミングでメンテナンスの検討をしてみましょう。
2.藻や苔の発生
屋根表面の水弾き・防水性が低下し、屋根材が常に水分を吸収している状態になってしまいます。そうなると湿気を好む藻や苔が発生してしまいます。放置すると屋根材自体が劣化してしまうのでなるべく早めに塗装するようにしましょう。
3.屋根材の反り
屋根が水分を吸収するようになると湿潤と乾燥を繰り返し、スレート屋根など薄く形成された屋根材では徐々に反り返ってしまうことがあります。
屋根材が反り返ると表面の塗装の効果は完全に切れてしまっていることになるので再塗装が必要になります。
反りを放置してしまうと少しの力が加わっただけで割れてしまう状態になってしまいます。この状態まで劣化が進んでしまうと塗装ではなく、葺き替え工事やカバー工法などの工事が必要になってしまうことが多いため、反りが見られたらなるべく早めに塗装をするようにしましょう。
4.屋根材の割れや欠け
スレート屋根などは薄く成形された屋根なので、硬いものが強風などにより衝突すると亀裂が入ってしまったり欠けたりしてしまいます。ヒビや欠けが小さければコーキングで補修することもできますが、ヒビや欠けの範囲が大きかったり、複数箇所に見られるようであれば、カバー工法などの工事が必要になります。
5.棟板金の劣化
屋根は屋根材の固定や頂上の隙間を埋めるために棟板金が設置されています。この棟板金は釘で固定されているものが多いのですが、経年劣化や熱膨張により徐々に緩んできてしまい、棟板金が浮いてきてしまいます。棟板金が浮いてくると隙間などから雨水が侵入して雨漏りの原因になったり、強風で棟板金が吹き飛ばされてしまうといった恐れがあります。
棟板金は定期的に点検を行い、浮きが見られれば釘を打ち直すなどのメンテナンスが必要です。
4章目:塗装業者選びのポイントとは?
適正な施工を行うために大切なのは信頼できる業者へ施工をお願いすることが何よりも大切です。
ここでは信頼できる塗装業者選びのポイントをご紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
1.適正な価格であるか
屋根塗装の費用相場は30~60万円ほどです。これより大幅に安かったり高かったりした場合には注意しましょう。しかし場合によっては施工面積が広かったり、追加補修工事が必要であったりするので、工事金額については一概におかしいとは言えません。
もしも見積もりを提示された金額に違和感があれば、内訳を確認するようにしましょう。
疑問に感じた点を納得できるまで説明してくれる塗装業者であれば信頼しても良いでしょう。
2.見積書に内訳が明示されているか
見積もりは塗装業者が信頼できるかの判断材料が多く詰まっています。
例えば材料費と施工費が一緒に金額提示されている場合は、本来の塗料や施工費それぞれにどれだけの費用がかかっているかを知ることができません。
さらに、塗装面積が「㎡」で記載されているかも確認しましょう。坪数での記載は正確な塗装面積が算出されていない恐れがあります。
3.丁寧な診断をしてくれるか
塗装工事の見積もりは建物診断を元に作成しているため、正確な値を算出するためには必ず丁寧に建物診断を行う必要があります。屋根塗装の場合は必ず上から確認し、屋根の劣化状況や適正な工事を判断する必要があります。
こういった建物診断を行わずにざっと確認をしてから見積もりを提出する業者には注意が必要です。
4.アフターフォロー体制は整っているか
リフォーム工事は新築工事と異なり、施工後の保証の法的な義務はありません。
施工だけしてアフターフォロー制度が整っていない業者へ依頼した場合、その後何か不具合が生じても何も対応してくれず、再度お金をかけて補修を行う。。。なんて言ったことも起こりかねません。
塗装を行う際は必ずアフターフォロー制度の確認、さらに保証内容までしっかりと確認するようにしましょう。
5章目:まとめ
いかがでしょうか。
今回の記事では屋根塗装に関する塗料選びについてご紹介しました。
せっかく塗装工事を行うのであればしっかり納得いくまで塗料選びにこだわってみましょう。信頼できる塗装業者を見つけることができればアドバイスもしてもらえるでしょう。
株式会社タクトは屋根や外壁のメンテナンスを専門的に行っています。
もちろん専門的な知識や技術、資格等もございます。施工事例やお客様の声等はホームページにも掲載しておりますので、ぜひ参考までにご覧ください。
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