外壁塗装の吹き付け塗装のメリット・デメリットとは?またローラー工法との違いは?
2022.02.16
目次
1章目:外壁塗装の吹き付け工法とは?
吹き付け塗装は吹き付け器具(スプレーガン、万能ガンなど)を使用して塗料を吹き付けて塗装する工法です。
吹き付け塗装は意匠性のある外壁に仕上げることが出来ることが特徴です。
以下の意匠性のある外壁材は吹き付け塗装で仕上げられた可能性が高いものです。
・リシン
・スタッコ
・スキン
・吹き付けタイル
さらに吹き付け塗装で使用されるスプレーガンはローラーで塗装するよりも5倍近く広い範囲の塗装を行うことができ、作業効率が高いとされています。
スプレーガンの種類には2種類あります。
・エアスプレー
圧縮した空気を利用して塗料を噴射するスプレーガンです。
エアスプレーの中でも重力式・吸上式・圧送式の3種類に分けることが出来ます。
細かな調整が出来るので塗膜面が綺麗な仕上がりになります。しかし、塗料が飛散しやすかったり、塗膜が薄くなってしまうことがあるので注意が必要です。
・エアレススプレー
空気ではなく塗料の圧力により噴射するスプレーです。
高粘土の塗料も使用することができ、無駄なく塗料を使用することが出来ます。
しかし細かな塗装には不向きと言われています。
現在の戸建て住宅の塗装に吹き付け塗装を行うのは稀です。
原因は詳しくは後ほど説明していきますが、近年の住宅事情による変化が大きいと考えられます。
吹き付け塗装がされている外壁材を再塗装する際は、吹き付け塗装で行うことも可能ですが基本的にはローラー塗装で仕上げます。ローラー塗装でも塗料によって意匠性の高い仕上げを行うこともできます。
近年、吹き付け塗装は施工数が減少してきており、それに伴い施工業者も減少傾向にあります。どうしても吹き付け塗装を行いたいという場合は知識や経験のある業者へ依頼するようにしましょう。
2章目:外壁塗装における吹き付け工法のメリットとは?
次に吹き付け塗装のメリットをご紹介します。
1.意匠性のある外壁に仕上げることが出来る
吹き付け塗装はその仕上がりが1番の特徴です。
そんな吹き付け塗装には3つの仕上げ方法があります。
・リシン仕上げ
塗料と一緒にリシンという表面化粧材を吹き付ける工法です。
そして、リシン仕上げは古くから吹き付け塗装の定番として人気な工法の一つです。
・スタッコ仕上げ
重厚感のある外壁に仕上げることができ、主にマンションやビルなどで用いられる工法です。
・タイル仕上げ
吹き付け塗装とローラー塗装の二つを用いて仕上げます。玉吹きで外壁表面に凹凸をつけた後にローラーを使用して立体感を出していきます。
吹き付け塗装では好みに合わせて様々な仕上がりにすることができます。
2.施工時間を短く出来る
吹き付け塗装はスプレーガンを使用するため、一度に広範囲の外壁塗装をすることが出来ます。施工時間はローラー塗装の2〜3倍ほど早いと言われています。
そのため倉庫や車庫などの大きな建物も効率的に塗装を行うことが出来ます。
3.コストを抑えることができる
吹き付け塗装は施工期間を短縮できるため少人数で作業を行うことが出来ます。そのため人件費や施工費を節約することができ、塗装にかかる費用を抑えることができます。
3章目:外壁塗装における吹き付け工法のデメリットとは?
仕上がりが好評な吹き付け塗装ですがデメリットもあります。
メリットだけではなくデメリットもしっかり把握しておくことが大切です。
1.養生に手間がかかる
吹き付け塗装はスプレーガンで塗料を勢いよく広範囲に噴射して塗装するため、塗料の飛散範囲が広く、周辺の木や車などにも養生をする必要があります。そのためローラー塗装よりも養生作業に時間と手間がかかってしまいます。
また、住宅密集地で通路が狭い場所などの施工は断られてしまう場合もあります。さらに強風の日には塗料が舞い上がったりしてしまうため施工が出来なくなることもあります。
2.作業音が大きい
外壁塗装を行う際のご近隣の方々への配慮は必要不可欠ですが、吹き付け塗装を行う際は周囲への配慮がより必要になります。スプレーガンのコンプレッサーが高い機械音のような音を発生させるので、騒音と感じてしまう方が多いようです。
さらに吹き付け塗装では塗料が飛散するので塗料の匂いが広がってしまう場合もあります。
そのため住宅が密集している場所ではクレームの原因になってしまうため、施工が出来ない場合もあります。
3.塗料の無駄がある
塗料を噴射して塗装するので塗料の飛び散りが激しく、無駄に消費してしまうことがあります。しかし塗膜の厚さはしっかりと確保しなければならないため、飛び散りのロス分を考慮して塗料を用意しなければなりません。
4.職人の技術が必要
吹き付け塗装は職人の技術によって仕上がりに影響が出やすいです。技術のない職人が施工すると色ムラや塗り残し等が出来てしまうこともあります。
そしてローラー塗装が周流の現在、吹き付け塗装の求術を持った職人も減ってきているため、人手の確保が難しくなってきています。
4章目:吹き付けとローラーの違い
吹き付け塗装のメリット・デメリットをご紹介してきましたが、現在主流の工法であるローラー塗装のメリット・デメリットはなんでしょうか?
ローラー塗装が多くの人に選ばれている理由をご紹介します。
ローラー塗装とは毛やスポンジ状のローラーに塗料を含ませて外壁表面に転がしながら塗装していく手法です。
1.ローラー塗装のメリット
・塗膜を厚く塗ることができ、塗りムラが少ない
・塗料の飛散が少ない
・職人が扱いやすく、塗りやすい
ローラー塗装が主流で扱われているのは以上のようなメリットがあるからです。
住宅密集地が増加している近年、塗料の飛散が少なく住宅が密集している場所でも施工できるという点がローラー塗装が好まれている要因の一つとなっていると考えられます。
しかしここで注意が必要なのが、ローラー塗装で厚塗りをしすぎると逆に施工不良が発生してしまう恐れがあるということです。どんな塗料でも1㎡あたりの塗布量が決められていて、それより多すぎても施工不良が起きてしまいます。
なぜなら塗膜の表面は乾燥しているように見えても、中は未乾燥である可能性が高いからです。
さらに塗った塗料が重力により垂れたり流れてしまったりすることもあります。そうなってしまうと見栄えが悪くなったり、施工後の塗膜の剥がれの原因にもなってしまうので気をつけなければいけません。
2.ローラー塗装のデメリット
・乾燥までに時間がかかる
・細かい箇所には不向き
・吹き付け塗装よりデザイン性が劣る
しかし細かい箇所は職人の技術に左右されることもありますが、小さなローラーや刷毛を使って塗装をすることができます。ローラーや刷毛にも使用箇所に合わせた種類があります。
さらに現在ではローラー塗装でもレンガ調や目地を残した多色塗装やモルタル外壁の仕上げ模様を残した塗装など、様々な手法でデザイン性のある外壁に仕上げることもできます。
ヒビ割れ(クラック)補修で消えてしまったモルタルの模様もローラー塗装でも再現することができるのです。
5章目:吹き付けとローラーどっちがいいの?
吹き付け塗装にはローラー塗装にはないメリットがあることはお分かりいただけたと思います。
しかし吹き付け塗装を扱っている業者は減少してきているのが現実です。
吹き付け塗装はモルタル外壁の質感をよく活かすことが出来るためモルタル外壁に行うのが主流でした。しかし近年はモルタル外壁よりもサイディング外壁の方が主流になってきています。
ローラー塗装でも吹き付け塗装の仕上がりと差がなく仕上げることが出来るため、サイディング外壁の普及とともにローラー塗装が主流になってきました。
さらに吹き付け塗装は住宅が密集している場所には不向きなため、住宅密集地が増えてきた近年では吹き付け塗装を行うのはクレーム発生のリスクが高いため、ローラー塗装が選ばれることが多くなりました。
以上の点などから、吹き付け塗装の施工数はどんどん減少していき、扱っている業者も減少してきています。そのため、塗装の提案を受ける際はローラー塗装での提案がほとんどです。
それではどんな場合に吹き付け塗装が向いているのでしょうか。
6章目:吹き付け塗装が向いている場合とは
吹き付け塗装が向いているのは主に塗装面積が広い場合や、施工後のデザインに強いこだわりがある場合などです。
これまで説明した通り、吹き付け塗装はローラー塗装よりも施工時間や施工費用が安く済むため、塗装面積が広いマンションやビルなどの塗装をする際には吹き付け塗装での施工も選択肢の一つにしてもいいかもしれません。
また、ローラーで表現できるデザインにも限度があるので、外壁のデザインに強いこだわりがある方は吹き付け塗装を選択してみるのもいいでしょう。
しかし吹き付け塗装は住宅密集地では施工ができないため、施工できる場所が限られてしまします。その場合は単価の安い塗料を使用してのローラー塗装、デザイン性を出すことのできる手法を用いたローラー塗装の検討も必要です。
また近年では「無塗装サイディング」という下塗り処理だけ施工してある状態の外壁材が販売されていて、このサイディングボードを吹き付け塗装で仕上げるといった方法も人気があるようです。見た目にオリジナリティを感じることができ、サイディング外壁ではあまり見かけない和風のデザインにすることも可能です。
そして、吹き付け塗装とローラー塗装のどちらを選ぶ場合でも必ず守らなければならないのが「基準塗布量」です。
これは各塗料メーカーが指定している1㎡に塗らなければならない塗料の量のことです。この決められた量より少なくても多すぎてもいけません。
基準塗布量をしっかり守って塗装を行わなければ、せっかく塗装工事をしてもすぐに劣化が始まってしまう可能性があるのです。
さらに吹き付け塗装は職人の技術が必要な工法であること、吹き付け塗装を施工できる職人は減少傾向にあることを考えて、施工業者を探す際にはしっかりと知識と経験のある業者を探すようにしましょう。
7章目:まとめ
今回は吹き付け塗装とローラー塗装についてをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
それぞれの塗装方法のメリット・デメリットをしっかり理解した上で安心できる業者へ塗装工事の依頼をしましょう。
ただ安いからという理由だけで業者を選ぶのは危険です。
吹き付け塗装の技術が無い職人へ依頼してしまったり、基準塗布量を守らず手抜き施工をする業者へ依頼するのはもったいないです。なるべく複数の業者から見積もりを取り、施工実績や提案された塗装プラン等を比較して、信頼のできる業者へ依頼をしましょう。
吹き付け塗装は費用を抑えることができますが、ローラー塗装でも助成金や補助金を利用すればお得に塗装ができる場合もあるので、こういった点も専門業者に聞いてみると良いでしょう。
株式会社タクトは塗装のプロ軍団です。基準塗布量もしっかり守り、匠の技術で塗装いたします。
さらに吹き付け塗装の技術を持った職人も在中しています。お家だけではなくアパートやマンション、ビルや倉庫など様々な物件の塗装ができ、これまでの実績もございます。
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