破風板の塗装は必ず必要?塗装が必要な理由を建築塗装のプロが詳しく解説
2022.03.05
そろそろお家の塗装を考えようとしたときに、破風板の塗装も必要なのか?
そもそも破風板とは何の役割を果たしているのか?
などと疑問に思う方もいらっしゃると思います。
実は破風板はお家の中でも大切な役割を持っており、一番劣化しやすい箇所とも言われています。
今回の記事ではそんな破風板の塗装についての基本的な知識をご紹介していきます。
目次
1章目:破風板の塗装が必要な理由とは?
破風板とは屋根の側面についている板のことで、屋根の内部や瓦屋根の瓦の下部に雨や風などが侵入してしまうのを防ぐ役割があります。日常生活では意識して見ることは無い場所ですが、破風板は雨風や赤外線の影響をとても受けやすく、定期的な塗装やメンテナンスが必要です。
破風板の塗装がどうして必要なのか、その理由をご説明します。
1.雨漏り発生のリスクを防ぐため
破風板は劣化すると水を吸い込むようになります。
水を吸い込むと破風板は膨張収縮を繰り返し変形してしまいます。破風板が変形してしまうことで隙間ができ、その隙間から風や雨などが屋根内部へと侵入してしまいます。さらに破風板が吸い込んだ水分が軒天へ浸透し家の内部まで侵入してしまうこともあります。
水分が建物の内部へ侵入することにより、天井からの雨漏り発生に繋がります。
塗装をすることで水の吸い込みを防ぐ事ができるので、雨漏りの発生リスクも抑える事ができます。
2.破風板の劣化を防ぐため
破風板はほとんどがケイカル板か木材で出来ています。どちらの素材も劣化が進むと水をよく吸うようになります。
水を吸い込むようになると先ほどご紹介したように雨漏り発生の原因になります。
さらに破風板は雨風や赤外線の影響をとても受けやすいため、塗装をすることで劣化の進行を防ぐ事が大切になります。
塗装を行わずに破風板の劣化が進むと、破風板包み工事や交換工事などが必要になります。そうなってくると塗装工事よりも費用が多くかかってしまうため、定期的に塗装をするようにしましょう。
※銅製やガルバリウム製の破風板は水を吸い込まない素材なので、基本的に塗装は必要ありませんが錆の発生など、劣化症状によっては塗装が必要な場合もあるので、塗装業者に相談してから塗装を行うか決めましょう。
3.美観性を維持するため
切妻屋根など破風板が見えやすいお家の場合、破風板が劣化しているとお家の美観性が損なわれてしまいます。
塗装によるメンテナンスを行った場合でも劣化による凹凸が目立ってしまうこともあるので、破風板はなるべく表面が劣化してしまう前にメンテナンスを行いましょう。
2章目:鼻隠しって?どこのこと?
鼻隠しは破風板と同じように屋根の側面についている板のことですが、雨樋がついている側面の板を鼻隠しと言います。
破風板は雨樋がついていない軒先の板のことを指します。
鼻隠しは破風板と同じく屋根内部へ雨風が侵入するのを防ぐ役割があります。それともう一つ、雨樋の下地材としての役割も果たしています。
つまり、鼻隠しが劣化していると雨樋の不具合が生じてしまう原因になってしまいます。
鼻隠しも破風板と同じく定期的にメンテナンスをするように注意しましょう。
3章目:破風板の素材別特徴とは?
破風板はお家によって素材が異なります。
破風板の素材によって適切な塗装方法や塗料が異なるため、自分のお家の破風板の素材は何かしっかり把握しましょう。
ここでは破風板の素材別の特徴をご紹介します。
1.木材系
以前の住宅で最も多い素材は木材系になります。
木材のため耐火性が低いこともあり、現在はあまり主流ではありませんが20年ほど前までは木材系の破風板が多く使われていました。木が使用されているので屋根や外壁よりも劣化が早い傾向にあり、定期的な塗装が必要です。
木材は呼吸を繰り返すことで素材自体が伸縮してしまいます。そのため塗膜の密着が剥がれ安いので、塗装をする際は木材に適した塗料を選択するようにしましょう。
2.金属系
ガルバリウム銅板やトタンなどが金属製に含まれます。木製の破風板にガルバリウム銅板などを巻きつけたものになります。
耐久性や美観性にも優れているため、現在の住宅に多く使用されています。
しかし熱に弱い傾向にあるため、火災の際などは火の熱によって変形してしまうこともあります。
基本的に金属系の破風板は耐久性が高いため、塗装は必要ないと言われていますが、錆などが発生してしまっている場合は耐久性低下の恐れがあるため、塗装も検討してみましょう。
3.窯業系
窯業系は主成分がセメントで出来ているものです。金属系と同じく現在の住宅に多く使用されています。
耐久性・美観性に優れていて、耐火性もあるのが特徴です。
しかし主成分であるセメントは水を含みやすいので、木材系破風板と同じく定期的に塗装をする必要があります。
窯業系の破風板が水を含み内部で凍結しそれが膨張することで爆裂を起こし、表面にヒビが入ってしまう恐れがあるので、水を含まないように塗膜でしっかりと保護してあげることが大切なのです。
4.モルタル
下地にモルタルを塗り、仕上げたものです。外壁材がモルタルのお家に多く見られます。
しかし現在はモルタル外壁のお家が減少傾向にあるので、近年モルタルの破風板はあまり普及していません。
モルタルの破風板は劣化が進むとクラックが発生し、クラック部分からモルタルが剥離し落下する危険性もあります。
4章目:破風板は何色が理想?
破風板の色は雨樋の色と合わせると、お家全体にまとまりが出ておすすめです。
基本的には白・黒・茶色で仕上げます。破風板にアクセントとしてその他の色を使用する場合もあります。破風板の色はお家全体のバランスを考えて決めるようにしましょう。
5章目:破風板塗装の注意点
ここでは破風板塗装の際の注意点をご紹介します。
1.下地処理をしっかり行う
破風板の表面が劣化してしまっている場合は下地処理として、ケレン作業や補修作業を行ってから塗装しましょう。
表面が荒れてしまっていると塗料密着の妨げになり、塗膜の耐久性低下の原因にもなるので下地処理は必ずしっかり行わなければなりません。
ケレン作業はマジックロン(ケレン用具)やサンドペーパー、刷毛などを使用して丁寧に行います。
また、破風板の繋ぎ目が劣化している場合はコーキングでしっかりと補修をしてから塗装をしましょう。
2.素材にあった塗料を使用する
先ほど説明した通り、破風板の素材にはいくつか種類があります。破風板の素材に合わせた塗料を使用しないと施行不良の原因になるので、どんな塗料を使用するのかは見積もりの際に確認するようにしましょう。
3.痛みすぎていたら板金包み工事や交換も検討する
破風板が欠けていたり、穴が空いてしまっている場合は塗装ではなく板金包み工事や交換工事を検討しましょう。
多少のひび割れであれば補修をしてから塗装をすることが出来ますが、あまりにも大きな劣化症状がある場合は長持ちさせるためにも塗装以外の工事をおすすめします。
6章目:破風板塗装の流れ
破風板は付帯部分といえどお家の大切な役割を果たしている部分になるので、塗装をする際はしっかり流れにそって丁寧に行う必要があります。
ここではそんな破風板塗装の流れをご紹介します。
1.洗浄
破風板の長年の苔や汚れを洗い残しの無いように注意しながら洗浄します。
2.ケレン作業
表面が荒れたまま塗装をしてしまうと塗料の密着が不十分になってしまい、耐久性の低下や施行不良の原因となってしまいます。
塗装の出来栄えをよくするためにもケレン作業は丁寧に行う必要があります。
3.塗装作業1回目
塗膜を厚くするためにローラーにたっぷり塗料をつけて塗装します。
4.塗装作業2回目
ムラや塗り残しの無いように注意しながら塗装していきます。
基本的な流れとしては以上になります。
金属系の破風板を塗装する際は錆止めを塗布することもあります。
破風板は高所にあるため、DIYはあまりおすすめできません。
また、破風板の素材によって適切な塗料も異なってくるので、塗装の知識や経験も必要になります。失敗すると仕上がりが悪くなってしまうのに加え、さらに劣化を早めてしまう恐れもあるので、なるべく塗装業者に任せるようにしましょう。
破風板塗装の費用相場はおおよそ900~1,300円/mと言われていますが、これはあくまでも費用相場ですので、塗装業者によって単価はさまざまです。また、使用する塗料によっても費用相場は変わってくるので、ただ安いからといって塗装業者を決めるのはやめましょう。
破風板塗装には足場が必要になります。破風板塗装のために足場を組むのであれば、屋根工事や屋根塗装・外壁塗装工事も同時にすることで足場の費用が1回で済みます。逆にいえば屋根工事や屋根塗装・外壁塗装工事をする際には破風板や鼻隠しなどの付帯部分も同時に塗装してもらうことでお家全体のメンテナンス費用を抑えることができます。
7章目:まとめ
今回は破風板の塗装についてをご紹介しました。
鼻隠しも破風板と同じような役割や性質を持っていますので、今回の記事を参考に塗装を検討してみてください。
破風板は普段あまり注意して見ることはありませんが、お家にとっての大切な役割を持っているということがお分かりいただけたでしょうか。
屋根塗装・外壁塗装だけではなく破風板などの付帯部分にも、今回の記事を参考に定期的にメンテナンスをするようにしましょう。
タクトでは建物診断・お見積もりは無料で行っております。
建物診断ではドローンを使用しますので、普段目につく事のない箇所も劣化状態をしっかり確認することができます。普段見えない箇所は劣化に気付くのが遅れてしまい、お家全体の劣化に繋がってしまう恐れもあります。
ハッキリとした劣化症状が見られなくても、そろそろメンテナンスメンテナンスの時期かな?と思いましたら、お気軽にご相談ください。
タクトは塗装のプロ軍団です。塗装の知識、技術に関してはご安心してお任せください。
タクト本社の横にあるショールームは体験型ショールームとなっております。塗装のチェックポイントを実際に見て、触れて、納得していただくことができますので、お気軽にお立ち寄りください。
塗装以外にも屋根工事などの諸工事も喜んで承っております。
塗装やお家のことならタクトにお任せください。
皆様からのご連絡お待ちしております。