軒天の塗装って大事なの?塗料の種類や費用相場感について解説します。
2022.03.11
軒天は軒天井とも呼ばれていて、外壁から突き出ている屋根の裏側の天井部分のことです。
軒天を普段から気にして見ている方は少ないと思いますが、そんな軒天もお家にとって重要な役割を果たしている大切な箇所です。
軒天も屋根や外壁と同じように外気に晒されているため、劣化しやすい箇所になります。軒天の劣化が進むと雨漏り等の恐れもあるので、定期的に点検やメンテナンスを行う必要があります。
今回の記事では軒天の基本的な知識や劣化症状、塗装方法などをご紹介していきます。
目次
1章目:軒天塗装についての基礎知識
軒天は普段から気にする方は少ないと思いますが、お家にとっての大切な役割を果たしています。
まずは軒天の役割をご紹介します。
1.建物の美観性と耐久性の向上
まず、軒天は建物の美観を整える役割を持っています。
軒天がないと、屋根裏の野地板や垂木などの内部構造が丸見えになってしまい、美観性を損ねてしまいます。さらに建物内部に雨風が直接当たると、建物自体の劣化速度を早めてしまいます。
このように軒天は建物の美観を整えるだけではなく、建物内部を保護する役割も持っているのです。
2.火災の被害拡大を防ぐ
軒天は家事が起きてしまった際に延焼するのを防ぐ役割があります。
火は下から上に向かって燃え移る性質があるため、軒天がない状態であればあっという間に屋根裏から建物内部まで火が広がってしまいます。
耐性の高い素材で軒天を作っておけば、少しの時間ですが火の延焼を遅らせることができます。
しかし劣化してしまった軒天の場合は耐久性や防火性が低下してしまっているので、逆に火が燃え移ってしまい、延焼のスピードを早めてしまう場合もあります。
軒天は耐火性の高い素材や塗料を使用することがおすすめです。
3.屋根裏の換気をする
屋根裏は湿気を帯びやすいため、カビや細菌が繁殖するのに快適な空間になりやすいです。
しかし軒天に換気口を設置することで屋根裏の通気性を向上させることができます。カビや細菌が繁殖し増加してしまうと悪臭の原因や建物内部の劣化に繋がるため、軒天に換気口を設置する工夫と一手間がとても大切です。
2章目:軒天の塗装が劣化するとどうなる?
軒天はお家にとって大切なものということがお分かりいただけましたでしょうか。
次に軒天の劣化症状をご紹介します。劣化症状をしっかり理解し、塗り替えのタイミングの目安にしてみましょう。
1.汚れや色褪せ
軒天は屋根や外壁のように紫外線を直接浴びているわけではありませんが、経年劣化により汚れが付着したり色が褪せたりしてきます。
すぐにメンテナンスをしなければいけない。ということでもありませんが、塗り替えのタイミングの目安にしても良いでしょう。
汚れや色褪せがみられたら、こまめに劣化症状のチェックをするようにしましょう。
2.シミ
汚れや色褪せのように経年により軒天にシミがみられることがあります。軒天のシミは屋根から雨水がしっかりと排泄されず、屋根裏に湿気が溜まりやすい状態になってしまっているので、シミが多数見られた場合はなるべく早めにメンテナンスを行いましょう。
3.藻やコケ
藻や苔が発生している軒天は通気が出来ておらず、湿気が溜まっている状態になっていると考えられます。またコーキング部分から雨水が入ってしまうことも藻やコケが発生しやすい原因になります。
藻やコケにとって快適な空間になってしまっていると、どんどん増殖してしまうので、換気口をつけたりなど、早めにメンテナンスを行いましょう。
4.剥がれや欠損
木材系の軒天の場合、劣化が進むと表面の板の剥がれや欠損が起きてしまう恐れがあります。剥がれを放置すると雨水等による腐食が進み、軒天に穴が空いてしまうこともあります。
さらに剥がれた状態で塗装を行っても塗料がしっかり密着しない可能性もあるので、剥がれや欠損が見られた場合は下地まで補修をしなければならないケースもあります。
つまり、剥がれや欠損が起きてしまう前にしっかりメンテナンスを行う必要があります。
3章目:軒天の塗装と塗料の種類とは?
続いて軒天を塗装する際に使用する塗料のご紹介をしていきます。
まずは軒天の素材についてご説明します。
1.軒天の素材について
軒天の素材にも種類があります。
1-1.ケイカル板
ケイカルとはケイカル酸質、消石灰、補強繊維が主成分の合成建材です。
ケイカル板の特徴としては不燃性・耐水性に優れていてコストパフォーマンスも良いことがあげられます。よって、現在では住宅の軒天に多く使用されています。
小さい穴の空いている有孔ケイカル板というものがあり、これを使用することで通気性を高めることが出来ます。
ケイカル板は定期的な塗装により長持ちさせることができるので、劣化してしまう前に定期的にメンテナンスをすることが大切になります。
1-2.ベニア板
ベニア板は築年数が古い軒天に多く使用されている素材になります。軒天に使用されるベニア板は3~5mmほどのものが一般的です。
価格は非常に安いのですが、防火性・耐水性が劣っています。よってベニヤ板を使用する際はベニヤ板に塗装をして表面を保護する必要があります。
ベニヤ板は経年劣化により、塗膜が表面から剥がれてしまいます。塗膜が剥がれてしまうと、ベニヤ板が剥き出しの状態になりダメージを直接受けてしまい、どんどん劣化が進んでしまいますので、定期的にメンテナンスで塗装をすることが必要です。
ベニア板にも小さな穴が空いた有孔ベニヤ板というものがあります。軒天全てを有孔ベニヤ板にするのではなく、屋根の四角のみに使用する方法が一般的です。
1-3.プリント合板
プリント合板はベニヤ板にプリントシートを貼って仕上げられた軒天の素材になります。
プリントシートは木目調の物が多く、意匠性を出すために使用されます。プリントシートを貼ることでベニヤ板の表面を保護することができるため、防水性を高めることができます。
プリントシートは接着剤で貼り付けてあるため、経年劣化によりプリントシートが剥がれてきてしまいます。剥がれてしまうとプリントシートのみの張替えメンテナンスは難しいため、プリント合板ごと交換する必要があります。
1-4.スラグ石膏板
スラグ石膏板とは鉱物や石膏を混ぜて作られた軒天の素材で、エクセルボードとも呼ばれています。
ケイカル板より安価で不燃性がありますが、耐水性がないという特徴があります。
よって表面を保護するために定期的に塗装メンテナンスが必要になります。
1-5.フレキシブルボード
フレキシブルボードとはセメントと補強繊維を混ぜて作られた素材です。
セメントが使用されているため、不燃性だけでなく衝撃や湿気にも強い素材ですが、価格も高く重量も重いため、近年は軒天に使用されることはあまりありません。
1-5.金属板
金属板を軒天に使用する場合、ガルバリウム銅板やアルミスパンドレルなどが使われます。
金属なので耐火性・耐水性・耐久性に優れていますが、価格は高く意匠性は低いことなどから一般住宅に使用されることは少なく、公共施設などに使用されます。
金属は劣化によりサビが発生するので塗装によるメンテナンスが必要になります。
1-6.モルタル
外壁がモルタル仕上げの場合、軒天もモルタルで仕上げる場合もあります。
その場合はモルタルの下地としてベニヤ板などの木材が使用されます。
モルタルは劣化により色褪せたりヒビが入ってしまうこともあるので、他の素材と同様にメンテナンスが必要になります。
2.軒天塗装の塗料について
軒天を塗装する際は湿気を通しやすく不燃性の高い塗料が選ばれます。
軒天を塗装する際によく使われる塗料についてご紹介します。
2-1.EP(エマルションペイント)・AEP(アクリルエマルションペイント)
軒天のみを塗装する際に使用される塗料です。水性なので水で薄めることができるので安全です。
揮発性有機化合物をほとんど含まないものが多く、ビニデラックス300やエコフラット100などがあります。
2-2.NAD(アクリル樹脂系非水分散形塗料)
EPやAEPに比べて密着性が高く、ヤニ止め効果もあります。塗替えの際によく使用されます。
アレスセラマイルドやケンエースG-Ⅱなどがあります。
軒天は塗装をする前に必ず高圧洗浄で汚れを落とし、ケレン作業や目荒らしを行います。目荒らしとは表面にわざと細かい傷をつけて塗料の密着を高める作業のことです。
軒天塗装の際は適正な塗料を選ぶのはもちろんですが、下地処理までしっかり丁寧に行っている業者に依頼するようにしましょう。
しかし、雨漏りやカビや藻が大量に発生してしまっている場合は塗装工事では十分な補修効果を発揮することは出来ません。
必ずお家の軒天の状態に合わせた工事を依頼しましょう。
4章目:軒天の塗装でおすすめ色は?
軒天は日が当たらないので、白色やクリーム色などの明るい色がおすすめです。
明るい色にすることで日を反射させ、軒下を明るくさせることができます。
外壁や屋根と同じ色にすれば家全体に統一感を出すこともできます。
どんなイメージの仕上がりにしたいのかによって、軒天の色を選ぶようにしましょう。
5章目:軒天の塗装以外のメンテナンス方法は?
軒天の劣化が激しい時や損傷が見られた場合は塗装では強度を保つことができない恐れがあるので別の方法でメンテナンスをすることもあります。
ここでは塗装以外のメンテナンス方法についてご紹介します。
1.軒天材を貼り付ける
既存の軒天の上に新しい軒天材を貼り付ける施工方法です。大掛かりな工事にならないので費用を抑えることができます。
しかし、下地まで劣化が進んでしまっている場合はこの方法では補修できないこともあります。
2.軒天を張り替える
軒天の損傷が酷かったり下地まで痛みが進んでしまっている場合は軒天の張替えを検討しましょう。内部まで劣化が進んでしまっていると、表面のみの補修だけではもう手遅れなのです。
一度軒天を全て剥がして下地の状態をチェックし、補修が必要であれば下地補修を行ってから軒天を貼っていきます。
軒天のつなぎ目にはコーキングをし、貼り付けた軒天の表面を塗装で保護すれば、軒天の貼り付け工事は完成します。
3.換気口の取り付け
軒天の通気性が悪い場合は換気口の取り付けをおすすめします。
屋根裏は湿気を多く含んでいるため、藻やコケなどが生息しやすい環境になってしまっています。繁殖を抑えるためにも換気口を取り付けたり有孔下を使用して通気性をよくする工夫をしましょう。
6章目:軒天の塗装にかかる費用相場は?
軒天塗装を依頼する場合、塗装料金の他に足場料金も発生します。
軒天の塗装範囲や使用する塗料により具体的な金額は様々ですが、屋根塗装や外壁塗装と同時に軒天塗装を行えば、足場代を1回分節約することが出来ます。
屋根や外壁の塗装をする際に軒天の塗装も一緒に行い、お得にメンテナンスをするようにしましょう。
7章目:まとめ
いかがでしょうか。
普段気をつけて見ることはあまりない軒天ですが、お家にとってどんな大切な役割を果たしているのかお分かり頂けましたでしょうか。
軒天も大切なお家の一部ですので、定期的に観察をして劣化のサインを見逃さないようにしましょう。建物の内部まで劣化してしまい手遅れになる前にきちんと塗装を行い軒天を保護してあげるようにしましょう。
株式会社タクトでは屋根や外壁はもちろん軒天などの付帯部分も、下地処理から塗装作業まで、一切手を抜かずに心を込めて施工いたします。お客様の大切なお家を守るため、一生懸命作業させていただきます。
そろそろメンテナンスが必要かな?とお考えの方はぜひ株式会社タクトまでご連絡ください。建物診断・お見積もりは無料ですので、お気軽にご相談ください。
タクトは塗装のプロ軍団です。経験や知識の豊富なタクトにぜひお任せください。
タクト本社の横にはショールームがございます。タクトのショールームは見て、触れて、納得していただける体験型ショールームになっております。
新型コロナウイルス感染症対策を万全にしてお待ちしておりますので、皆様ぜひお気軽にご来店ください。
塗装やお家のことならタクトにお任せください。
皆様からのご連絡お待ちしております。