トタン屋根の塗装するときのポイントを解説
2022.04.21
トタン屋根は劣化が進むとサビが目立つようになり、一度サビが発生すると自然と綺麗になることはありません。
サビが発生したまま放置すると、劣化速度は加速してしまい、最終的には穴が空いて雨漏りを引き起こす事も考えられます。
劣化の進行を防ぐためには塗装によるメンテナンスが必要になります。
今回の記事ではそんなトタン屋根の塗装メンテナンスについてご紹介いたします。
目次
1章目:トタン屋根の塗装で大事なこと
トタン屋根は安価ですが劣化しやすい屋根材です。5〜8年ほどで塗装メンテナンスが必要と言われています。
トタンはサビが発生しやすいため、必ずサビ止め塗料で塗装を行うようにしなければなりません。
また、サビ以外にも下記の劣化症状が見られた場合は、早めに塗装メンテナンスを行うようにしましょう。
・色褪せやチョーキング
・苔や藻の発生
・塗膜の膨れや剥がれ
劣化を放置してサビが全面に広がってしまうと、塗装をしても意味がなくなってしまうので、葺き替え工事等が必要になってしまいます。
劣化症状が見られた場合はなるべく早めに塗装業者に相談するようにしましょう。
2章目:トタン屋根の特徴
トタン屋根は鉄板を亜鉛メッキで覆ったものです。
現在の屋根材として多く使われている瓦やスレート屋根などと比べると、トタン屋根は軽量です。
トタン屋根は金属屋根の一種でトタンの他にも現在主流のガルバニウム銅板やステンレス、チタンなどがあります。
そんなトタン屋根ですが工法により種類があります。
1.瓦棒葺きトタン屋根
瓦棒葺きトタン屋根は45cmほどの間隔で縦方向に木製の桟を設置し、トタンを敷いていく屋根です。この木製の桟のことを瓦棒と呼ぶので、瓦棒葺きトタン屋根と言われています。
棟から軒先まで1枚のトタンで覆うため、水捌けに優れており、雨漏りに強く傾斜の弱い屋根にも使用することができます。
2.立体葺きトタン屋根
瓦棒葺きトタン屋根と違い桟を作らず、屋根材の橋を逆V字に折り曲げて重ね合わせて葺いていくのが立体葺きトタン屋根です。この逆V字のことをハゼと言います。
この工法は新しいもののためトタンが用いられることは少なく、ほとんどが現在主流のガルバリウム銅板が使用されています。
3.波板トタン屋根
名前の通り、波型に加工した屋根材になります。波の大きさには大小があり、波状にすることで強度を補うことができます。
よく見るお馴染みの屋根材です。
4.折半トタン屋根
屋根材を台形状に折り曲げて加工されたものが折半トタン屋根です。
台形に加工することで波板トタン屋根と同じく強度を補うことができます。
強度が高いため、工場や倉庫、体育館などの屋根に多く使用されています。
3章目:塗り替えの仕上がりはケレン作業で決まる?
ケレン作業は外壁や屋根塗装の際に行われる下地処理のことです。外壁や屋根のサビや旧塗膜を削ぎ落とします。
塗装面にサビや汚れがあると、その上から塗装しても塗料が密着することができずにすぐに塗膜が剥がれてしまう原因になります。しっかり塗料を密着させるためには、ケレン作業によりサビや汚れを削ぎ落とす必要があります。
さらに、表面がツルツルしていると塗膜が剥がれやすくなってしまうため、ケレン作業により塗装面を多少凸凹させることで、よりしっかりと塗料を密着させることができます。
塗料をしっかりと密着させることは、塗装工事後の仕上がりや耐久性にかなり影響してしまうため、塗装前のケレン作業は丁寧に行う必要があります。
それではケレン作業に使用される工具と作業方法によって分けられているケレンの種類についてご紹介します。
1.ケレン作業の工具
一般住宅では劣化がひどくない限りケレン作業は手作業で行われます。
手作業でケレン作業を行う際に主に使用される工具をご紹介します。
1.ケレン棒
ケレン棒は金属製のヘラで先端に刃がついているものです。
コンクリートや鉄骨などのケレン作業を行う際に表面に刃をつけて押し当てて、サビや旧塗膜を削ぎ落とします。
伸縮性のあるものやグリップ付きのもの、ステンレス製のものなどさまざまな製品があります。
2.ワイヤーブラシ
毛の部分に金属やナイロンなどが使用されているブラシです。
サビや塗膜を剥がす際に使用されます。
ワイヤーブラシにはさまざまな形状のものがあり、柄の着いたものやデッキブラシのようなものまであります。
3.スクレーパー
スクレーパーは金属製のヘラでケレン棒と同じものを指す場合もあります。
スクレーパーの刃は取り外しができ、使用する際は本体に刃をつけてから使用します。そのため刃が劣化してしまった場合でも、取り替えができるのでコストを抑えることが出来ます。
刃の種類には3枚刃や幅広いタイプなどさまざまなものがあります。
4.サンドペーパー
研磨剤が接着された紙や布製のやすりのことをサンドペーパーと言います。
サンドペーパーの目の荒さは#と数字で表され、これを番手と言います。数字が小さいほど目が荒く、数字が大きいほど目の細かいものになります。
5.やすり
やすりはサビ落としや研磨、目荒らしなどに使用されます。
やすりの中でも、研磨力も高く耐久性にも優れているナイロン製のマジックロンが多く使用されています。
2.ケレン作業の種類
ケレン作業は作業方法によって1〜4の4種類の種類に分けられています。
1.1種
1種はブラスト法と呼ばれるケレン方法です。
ブラスト法は金属片などが含まれている研磨剤を吹き付けて表面を研磨する方法で、サビや汚れ、旧塗膜などを除去します。
この方法は一般住宅で使用されることはなく、橋や船などに使用されます。
2.2種
2種は劣化やサビの範囲が広範囲の時に用いられる方法で、電気工具を使用してケレンする方法です。
1種と同じくサビや汚れ、旧塗膜などを完全に除去します。
鉄骨塗装の際などに用いられる方法です。
3.3種
3種はサビや汚れの範囲が少ない場合に使用され、旧塗膜を残しつつ、電気工具やサンドペーパーなどで行われます。
一般住宅の屋根や外壁に使用されるのはほとんどがこの3種の方法です。
4.4種
四種はキズや汚れが付着した旧塗膜のみを除去する方法です。
サビや腐食が見られない、良好な状態の外壁等に使用されます。
サンドペーパーや研磨スポンジなどを使用し、手作業で行われます。
4章目:葺き替え・重ね葺きとは?
トタン屋根のサビや汚れが広範囲に広がってしまったり、塗装では手遅れなほど劣化が進んでしまっている場合には葺き替え工事や重ね葺き工事が必要になります。
ここではトタン屋根の葺き替え工事・重ね葺き工事についてご紹介します。
1.葺き替え工事
葺き替え工事は今までのトタン屋根を剥がし、新しい屋根に葺き替える工事です。
しかし建物はトタン屋根を使用する設計で建てられているため、トタン屋根と同じく軽量の金属屋根を使用する必要があります。現在ではトタン屋根よりもサビにくく耐久性の高いガルバリウ銅板の屋根材が使用されます。
建物の構造にもよりますが、瓦棒葺き屋根をより雨漏りのしにくい立体葺き屋根にする事もできます。
葺き替え工事は部分的に行う事もできますが、屋根の劣化具合によっては葺き替えを行わなかった箇所から劣化が広がり、穴が開くと言うことも考えられますので、葺き替え工事を行う際は屋根全体の葺き替え工事を考えるようにしましょう。
2.重ね葺き工事
重ね葺き工事は別名カバー工法工事とも言いますが、今までのトタン屋根の上に防水シートを敷き、新しい屋根を被せていく方法です。
被せる屋根は建物に影響のないように軽量でなければならないので、トタン屋根と同じ金属製屋根のガルバリウム銅板を選びましょう。
防水シートには遮熱性や遮音性のあるシートを使用することも可能です。
5章目:トタン屋根の塗り方
ここではトタン屋根塗装の手順をご説明します。
1.高圧洗浄
長年の苔や汚れを時間をかけて洗い残しの無いように注意しながら洗浄していきます。
2.下地処理
ここでは3章でご説明したケレン作業や、ひび割れや隙間などがある場合はコーキングでしっかりと補修をします。
この下地処理をしっかり丁寧に行うことで、塗装工事後の仕上がりや耐久性に大きく影響するので、下地処理作業は時間をかけてでも慎重に行っていきます。
3.下塗り(錆止め)塗布
上塗りをよくするためにたっぷり下塗りを塗っていきます。
トタン屋根などの金属製屋根の場合はサビが発生していなくても必ずサビ止めを使用します。
4.上塗り
上塗り作業は2回行います。
外壁や屋根塗装の上塗りの際は、国土交通省により平均塗膜厚が定められているため、基準に基づいて丁寧に塗装していきます。
遮熱塗料などを使用すれば夏場の室内の気温上昇を防ぐことができます。さまざまな性能を持っている塗料があるので、塗料選びの際は塗装業者さんの説明を参考にして慎重に選ぶようにしましょう。
6章目:トタン屋根の塗装にかかる費用相場
トタン屋根の費用には塗装工事費用の他に足場組立費や高圧洗浄、養生費、下地処理費等が含まれています。また、劣化がかなり進行してしまっている場合には、その他にも追加で補修費用がかかってしまう事もあります。
さらに、選ぶ塗料の種類や工事内容によっても価格は変動してくるため、詳しい費用は塗装業者に相談してみましょう。 ご参考までに株式会社タクトの施工事例をぜひご覧ください。
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7章目:まとめ
いかがでしょうか。
トタン屋根の塗装メンテナンスについてお分かりいただけましたでしょうか。
屋根はお家の大切な役割を果たしている箇所なので、トタン屋根にかかわらず、劣化症状がみられた場合はなるべく早めに専門業者へ相談することをおすすめします。まだ大丈夫だろうとそのまま放置してしまうと、屋根の下地まで劣化してしまい結果的に屋根を吹き替えなければならなかったり、大きな補修工事が必要になってしまうケースもあります。
そうなってしまう前に早めにメンテナンスを行いましょう。
株式会社タクトでは建物診断・お見積もりは無料で行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
塗装やお家のことならタクトにお任せください。
皆様からのご連絡お待ちしております。