コーキングの上に塗装する際の注意点と乾燥時間について
2023.06.17
お家のコーキングをじっくり見たことのある方はいらっしゃるでしょうか。
コーキングの施工方法は、外壁塗装の前に行う「先打ち」と外壁塗装の後に行う「後打ち」との二つがあります。
どちらもそれぞれの良さがあるので今回はそれぞれの方法を比較しながら注意点などをご紹介していきます。
1章目:コーキングとは何か
ここではコーキングとは何か。コーキングの役割や劣化症状等を詳しくご紹介していきます。
1.コーキングとは
お家のサイディング外壁やALC外壁などの目地に充填されているものがコーキングです。
コーキングはモルタル外壁のひび割れを補修する際にも使用されます。
外壁のコーキングは目地からの劣化や雨漏りを防いだり、地震などの揺れから外壁材が擦れたりズレたりするのを防ぐ役割があります。
2.コーキングの寿命
お家にとって大切な役割を持っているコーキングですが、寿命は5〜10年と言われています。
コーキング材には可塑剤という弾力性を持たせるための成分が入っていて、この可塑剤は経年劣化により弾力を失ってしまいます。コーキングは弾力性を失うことで耐久性や防水性が弱まり劣化が進んでしまいます。
さらに、コーキングは紫外線や気温・湿度などの影響も受けやすいため塗膜に比べて劣化が早いと言われています。
3.コーキングの劣化症状
コーキングのメンテナンスが必要な劣化症状をご紹介します。
3-1.ひび割れ・破断
紫外線や気温などの影響でコーキングの弾力性が低くなってくると、揺れなどの衝撃でひび割れが発生しやすくなってしまいます。
ひび割れを放置するとコーキングが裂けてしまったり穴が空いてしまう恐れがあり、これを破断と言います。
ひびや穴の隙間から雨水が直接侵入してきてしまうと建物の下地まで浸透してしまい、建物の強度に影響を与えてしまう恐れもあります。
3-2.肉やせ
コーキング材に含まれる可塑剤が表面に溶け出てきてしまうことで、コーキング自体の厚みが減少してしまいます。
さらに可塑剤が溶け出てしまっているため弾力性がなくなりコーキング自体が固くなってしまい、地震などの揺れから耐久性が低下したりひび割れが起きやすくなったりしてしまいます。
3-3.ブリード
ブリードとはコーキングに沿って黒いシミのようなものが滲み出てくる現象です。
これはコーキング材に含まれる可塑剤という成分が滲み出てくる際に塗料や汚れと反応して発生します。
ブリードは見た目が悪くなってしまうだけでなく、コーキングに弾力性を持たせている可塑剤が滲み出てしまっているため、コーキングの弾力性はなくなり劣化スピードが早まってしまいます。
3-4.欠落
欠落はコーキングが剥がれて落下してしまっている状態のことです。
ひび割れや破断を放置し続けると、やがてコーキングは剥がれて落下してしまいます。
欠落が起きた場合、目地はスカスカの状態でコーキングが無いのと同じ状態なので早急に対処が必要になります。
2章目:コーキングの上から塗装する場合としない場合の注意点
コーキングを先に打ってからコーキングの上に塗装をする方法を先打ち工法と言います。
逆に外壁を塗装してからコーキングを打つことを後打ち工法と言います。
この二つの方法のメリットとデメリット、注意点をご紹介します。
1.先打ち工法
・メリット
コーキングの上に塗膜を形成するため、コーキングを保護することができます。
また、外壁面とコーキング面を同色で塗装するため、外壁全体の見た目が綺麗になります。
・デメリット
コーキングは外壁材を振動などから守る役割があるため、振動などの力が加わると塗膜にヒビが入ってしまう可能性があります。
さらにコーキングと塗料の相性が悪い場合は塗膜が剥がれてしまうこともあります。
・注意点
先打ち工法で施工した場合コーキングの上に塗膜があるので、塗膜の劣化が先に始まります。
コーキング上の塗膜の劣化は補修の緊急性は高くありませんが、そのまま放置してしまうとやがてコーキング自体の劣化につながってしまいます。
2.後打ち工法
・メリット
コーキング上で塗膜のヒビや剥がれ等の不具合が起きない。
・デメリット
コーキングが雨風や太陽光に直接さらされるので先打ち工法よりもコーキング自体の劣化が早くなってしまいます。
・注意点
コーキング自体が劣化してしまった場合は外壁材を振動から守ったり、水の侵入を防いだりすることができなくなってしまいます。コーキング自体がひび割れていたり、外壁材との隙間ができてしまっている場合はなるべく早めに補修をする必要があります。
3章目:シリコンコーキングの除去方法
コーキングの補修は古いコーキングを撤去して、綺麗に打ち替えることが必要になります。
この工事では既存のコーキングを綺麗に取り除くことで厚みのあるコーキングを打設することができます。
そのためコーキングの撤去作業はとても重要な作業になります。
コーキング撤去についてご紹介する前にまずはコーキングの二面接着と三面接着についてご紹介します。
1.コーキングの接着方法
◼︎二面接着
外壁材と外壁材の間の目地の底部分にバックアップ材やボンドブレーカーを入れてからコーキングを充填する方法です。
コーキング材が目地の底に触れずに、目地の左右の二面で接着するため二面接着と呼ばれています。
目地の底にもピッタリ接着する三面接着に比べて、コーキングが柔軟に動くことができるため、振動などへの対応力が高くなります。
住宅のコーキングは基本的にこの二面接着になります。
◼︎三面接着
目地に直接コーキング材を充填する方法になります。
ビルやマンションなどの動きの少ないコンクリートの建物に向いています。
室内の水回りなどのコーキングは三面接着になっています。
2.コーキングの剥がし方
コーキングを剥がすには、まずコーキングの両側にカッターを入れて切り込みを作ります。その切り込みからコーキングの一部が剥がれてくるので、剥がれた部分をペンチで摘み引っ張って剥がしていきます。
コーキングを剥がす際に三面接着である場合は目地の底にコーキングが残りやすいので、残ってしまったコーキングもできるだけ綺麗に取り除きます。
二面接着の場合も底のバックアップ材やボンドブレーカーを一緒に取り除いてしまわないように慎重に作業をします。
コーキングを剥がす際は慎重に丁寧な作業が必要になるので、なるべくDIYでなく専門の業者へ依頼するようにしましょう。
4章目:コーキングの乾燥時間について
コーキングは充填する際はペースト状であるため乾燥時間をしっかり取る必要があります。
ここではコーキングの乾燥時間の基本知識をご紹介します。
1.コーキングの乾燥時間
コーキングが乾燥する時間には3段階あります。
それぞれの段階について具体的に説明します。
⚫︎表面硬化
表面硬化はコーキングの表面に触れるだけなら大丈夫な状態のことです。
手で触れてみてコーキングが指についたり糸を引く状態であれば表面硬化はしていない状態です。
⚫︎皮膜硬化
皮膜硬化はコーキングの表面がしっかりと乾燥している状態で、基本的にはコーキング上に塗装を開始しても問題がない状態です。
⚫︎完全硬化
完全硬化は内部までしっかりと乾燥していて、コーキングの作業が完全に完了した状態になります。
完全硬化をした後は水で濡らしたり強い衝撃を与えても、剥がれたり変形したりしません。
2.コーキングの乾燥時間を間違えると
コーキングの乾燥時間を間違えると起こる問題についてご紹介します。
2-1.コーキング上塗膜の施工不良
コーキングの乾燥時間不足のまま上から塗装をしてしまうと、塗膜が綺麗に仕上がらないといった施工不良が起こる可能性があります。
塗膜の施工不良は外観の悪化だけでなく外壁の耐久性を低下させてしまう恐れもあります。
また、塗膜が剥がれてしまう原因にもなります。
コーキング上に塗装を行う際は、コーキングが十分に乾燥してから行う必要があります。
2-2.防水機能の低下
コーキングの乾燥時間を間違えると、防水機能が低下してしまい雨漏りの原因になることもあります。
外壁から雨漏りが発生すると住宅内部の腐食が進み、お家の劣化スピードが早まってしまいます。
雨漏りを起こさないためにもコーキングの乾燥時間はしっかりと守りましょう。
3.コーキングの乾燥時間の注意点
コーキングの乾燥時間についての注意点をご紹介します。
3-1.見た目で判断しない
見た目では乾燥しているように見えても内部が完全に乾燥していないことがあるため、見た目での判断は避けましょう。
むやみに触ったり見た目で判断せずに、しっかりと乾燥時間を守りましょう。
3-2.塗料によって乾燥時間が変わる
使用する塗料の種類によってコーキングに塗装できるまでの時間が異なるため注意が必要です。
例えば油性塗料を使用する場合はコーキングを溶かしてしまう可能性のあるシンナーが含まれているため、コーキングを十分乾燥させる必要があります。
3-3.気温によって乾燥時間が変わる
コーキングは季節や気温などによって乾燥する時間が変動するため、環境に合わせて工事を行う必要があります。
コーキングは暑い時は乾燥しやすく、寒い時は材料が固まりにくいため乾燥時間が長くなります。
5章目:まとめ
いかがでしょうか。
コーキングを補修する際に先打ち工法にするのか、後打ち工法にするのかはそれぞれのメリット・デメリットを考慮して決めるようにしましょう。
一番は専門業者に建物をしっかりと見てもらい、どっちの方法が適しているかを判断してもらうのが良いでしょう。
株式会社タクトでは、建物診断時には必ずコーキングの状態を確認し、適切なメンテナンス方法をご提案いたします。
建物診断にはドローンを使用するので、高所など普段見ることの出来ない部分まで見逃しません。
さらに保証付の塗装工事も同時に行うことでコーキングの耐久性をより高めることが出来ます。
また、アフターフォローサービスで、定期的にお客様のご自宅を点検させていただいております。
もちろんアフターフォロー点検は無料です。点検で何か異常がありましたら、早急にお直しさせていただいております。
塗装やお家のことならタクトにお任せください。
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